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幻想郷で有名な勝負方法といえば、まず最初に弾幕ごっこが挙げられるだろう。
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弾幕の美しさを披露しつつ、どれだけ回避し続けられるかを競う幻想郷独特の決闘である。
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しかし、幻想郷に住む者たち、そのすべてが弾幕を扱えるわけではない。
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魔法の森の奥でひっそりと道具屋を営む彼――森近霖之助もまた、そのひとりである。
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「はぁ……今日も彼女たちに
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売り物を安値で持っていかれてしまった」
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冥界の道具に妖怪の道具、魔法の道具に外の世界の道具まで。
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人間にも妖怪にも拒まれず、販売だけでなく買取まで行っている香霖堂。
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数多の道具に囲まれながら、霖之助は本日何度目かも分からないため息をこぼした。
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「気になる商品があれば、あれやこれやと
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理由をつけてタダ同然の金額を付けられる。
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紅魔館のメイドみたいな上客もいるにはいるが、
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常連のほとんどは問題児ばかりだ」
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それもこれも、すべては彼が弾幕を使えないせい。
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彼女たちと同じように弾幕を扱うことができれば……、
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少なくとも、商品を持っていかれる現状を変えることぐらいはできるだろう。
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「一応は僕も半妖なのだから、
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弾幕を使えないことはないはずなんだが……。
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まあ、そう上手くいかないのが
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現実というものだね。世知辛い世知辛い」
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さっきまでいた昔馴染みの魔法使い見習いが散らかした店内を片付けるべく、
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霖之助はとりあえず床に落ちていた書物を手に取った。
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「む? これは――」
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それが、今後の彼の人生を大きく変えるきっかけになるとも知らずに――
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