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霊烏路空は元から特別というわけではなく、かつては普通の地獄鴉でしかなかった。
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古明地さとりが管理することになった旧地獄、彼女の担当は、そこにある灼熱地獄跡だった。
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灼熱地獄の火力が強まれば地霊殿の天窓を開け、弱まれば死体を投げ込んでかっかと燃やす。
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それが、地獄鴉である彼女に与えられた、唯一の役目だった。
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毎日同じ仕事の繰り返し。退屈ではあったものの、しかし、それなりに平和で満足な生活だった。
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「さとり様の役に立てるし、
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お燐と一緒に毎日働けるし、ご飯ももらえる。
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なーんにも足りないものなんかない。
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あーあ、こんな生活がずっと続けばいいのになあ」
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尊敬すべき主がいる、心を許せる親友がいる。
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自分を信頼して任された仕事がある、慣れ親しんだ旧地獄という住処がある。
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空の生活は充足していた。――少なくとも、自分が特別な存在になるまでは。
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「うにゅ? あの人、誰だろう?
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あんな人、旧地獄にいたかなあ」
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それは、空がいつも通りに仕事に励んでいた、特別でもなんでもない日。
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山の神を名乗る巨大な注連縄を背にまとった女性が、突然、地底の外からやってきた。
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彼女は空を見つけるや否や、聖母のような慈愛の笑みとともに、とある提案をするのだった。
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「え? 八咫烏の力……?
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私に、それをくれるの……?」
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