// BOM card_100_289_00,2,40 START, SET_CARD_BG_IN,100289, SET_BGM,7, MAIN_UI_OFF,1, FADE_IN,500,0, WAIT_SEC,1000, SET_CARD_TEXT,1,1, 旧地獄陸上競技大会、第四種目――短距離走。 card_100_289_00_1 SET_CARD_TEXT,1,1, 紅魔館の仲間たちからの期待を背に、紅美鈴は一等賞を目指す――はずだった。 card_100_289_00_2 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_289_00_3 SET_CARD_TEXT,1,1, 「うわぁ……すごい爆発。これは勝てませんね」 card_100_289_00_4 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_289_00_5 SET_CARD_TEXT,1,1, スタートの瞬間に轟音が鳴り響いたかと思ったら、 card_100_289_00_6 SET_CARD_TEXT,1,1, 瞬きする間もなく三人の妖怪によってゴールテープを切られてしまった。 card_100_289_00_7 SET_CARD_TEXT,1,1, 開幕と同時に敗北が決まってしまった紅美鈴。しかし、彼女は決して手を抜くことなどしない。 card_100_289_00_8 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_289_00_9 SET_CARD_TEXT,1,1, 「全力でやれ、って鬼からも言われていますし、 card_100_289_00_10 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_289_00_11 SET_CARD_TEXT,1,1, 何よりお嬢様たちが見ていますから」 card_100_289_00_12 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_289_00_13 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_289_00_14 SET_CARD_TEXT,1,1, 激烈なゴール劇のせいで、美鈴に注目する観客はほとんどいない。 card_100_289_00_15 SET_CARD_TEXT,1,1, しかし、彼女はゴールを目指し、持ち前の運動神経を駆使して走った。 card_100_289_00_16 SET_CARD_TEXT,1,1, 筋肉を軋きしませ、大地を蹴り、虹色の気をまといながら、 card_100_289_00_17 SET_CARD_TEXT,1,1, 息を切らすほどの全力で、彼女は走り切った。 card_100_289_00_18 SET_CARD_TEXT,1,1, 観客たちの興味は一等賞にのみ向けられている……否いな、決してそうではない。 card_100_289_00_19 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_289_00_20 SET_CARD_TEXT,1,1, 頬を伝う汗を拭う美鈴に拍手を送ってくれる者たちも、少なからず存在した。 card_100_289_00_21 SET_CARD_TEXT,1,1, それは、彼女と一緒に地底旅行をしていた、紅魔館の面々だ。 card_100_289_00_22 SET_CARD_TEXT,1,1, わずか数人から送られた拍手。 card_100_289_00_23 SET_CARD_TEXT,1,1, まばらで小さなものではあったが、美鈴にとっては十分すぎる報酬だった。 card_100_289_00_24 SET_CARD_TEXT,1,1, 膨れっ面をする主が、優勝賞品の温泉入浴券を美鈴が逃したことに拗すね、 card_100_289_00_25 SET_CARD_TEXT,1,1, 同僚のメイドがそれを眺めながら、競技を終えた美鈴を軽く労ねぎらう。 card_100_289_00_26 SET_CARD_TEXT,1,1, 負けた悔しさはあるものの、こうして自分を見てくれている人たちがいる。 card_100_289_00_27 SET_CARD_TEXT,1,1, 紅魔館という居場所の温かさを感じ取り、美鈴は思わず明るい表情を見せるのだった。 card_100_289_00_28 WAIT_TOUCH, SKIP_POS, FADE_OUT,500, STOP_BGM, WAIT_SEC,2000, END,