// BOM card_100_299_00,2,54 START, SET_CARD_BG_IN,100299, SET_BGM,7, MAIN_UI_OFF,1, FADE_IN,500,0, WAIT_SEC,1000, SET_CARD_TEXT,1,1, 太陽が沈み、かがり火が灯される。 card_100_299_00_1 SET_CARD_TEXT,1,1, だが、里の喧騒が止むことはなく、そこで行われている祭りは変わらず活気づいていた。 card_100_299_00_2 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_299_00_3 SET_CARD_TEXT,1,1, 「ほう、舞台の上で能を舞うのか。 card_100_299_00_4 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_299_00_5 SET_CARD_TEXT,1,1, しかも、参加者全員でときた。 card_100_299_00_6 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_299_00_7 SET_CARD_TEXT,1,1, 盆踊りのように、 card_100_299_00_8 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_299_00_9 SET_CARD_TEXT,1,1, 気軽に能を舞えるのはこれまた一興。 card_100_299_00_10 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_299_00_11 SET_CARD_TEXT,1,1, どれ、私も参加してみるとしようかな」 card_100_299_00_12 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_299_00_13 SET_CARD_TEXT,1,1, 広場の中央に置かれた簡易的な舞台に、摩多羅隠岐奈はためらうことなく足を踏み入れる。 card_100_299_00_14 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_299_00_15 SET_CARD_TEXT,1,1, 彼女は今回、お忍びで人里の祭りに参加していた。 card_100_299_00_16 SET_CARD_TEXT,1,1, 部下である二童子以外に、彼女がここにいることを知る者はそういない。 card_100_299_00_17 SET_CARD_TEXT,1,1, 完全なるプライベート。 card_100_299_00_18 SET_CARD_TEXT,1,1, だからこそ、こうして気軽に興味のある催事に首を突っ込むことができるのだ。 card_100_299_00_19 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_299_00_20 SET_CARD_TEXT,1,1, 「さて、能を舞うなどひさしぶりだが…… card_100_299_00_21 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_299_00_22 SET_CARD_TEXT,1,1, たいした問題じゃあないだろう。 card_100_299_00_23 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_299_00_24 SET_CARD_TEXT,1,1, 人間の芸事げいごとなど、居眠りしながらでも真似できる」 card_100_299_00_25 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_299_00_26 SET_CARD_TEXT,1,1, 神であるからこその大口であるが、しかし、その言葉に偽りはなかった。 card_100_299_00_27 SET_CARD_TEXT,1,1, 彼女が能を舞い始めた途端、周囲の人々がざわつき始める。 card_100_299_00_28 SET_CARD_TEXT,1,1, 隠岐奈の舞は、舞台の中で一際目を惹くほどに美しいものだった。 card_100_299_00_29 SET_CARD_TEXT,1,1, 老若男女問わずに息をのむほど美麗で可憐。 card_100_299_00_30 SET_CARD_TEXT,1,1, 彼女の邪魔をすまいと、周囲で踊っていた人々は徐々に隠岐奈から距離を取り始めてすらいた。 card_100_299_00_31 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_299_00_32 SET_CARD_TEXT,1,1, 「おやおや、お忍びのつもりだったが、 card_100_299_00_33 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_299_00_34 SET_CARD_TEXT,1,1, どうやら目立ってしまったようだ。 card_100_299_00_35 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_299_00_36 SET_CARD_TEXT,1,1, ……まあ、いい。ならば、神の舞を見るがいい。 card_100_299_00_37 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_299_00_38 SET_CARD_TEXT,1,1, 一生ものの思い出になることだろう」 card_100_299_00_39 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_299_00_40 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_299_00_41 SET_CARD_TEXT,1,1, その美しき舞は秘すこと叶わず。しかし、その価値が失われることはない――。 card_100_299_00_42 WAIT_TOUCH, SKIP_POS, FADE_OUT,500, STOP_BGM, WAIT_SEC,2000, END,