幻想郷、博麗大結界により隔てられた、山奥の辺境の地。 忘れられた道具、存在、怪奇の流れ着くその世界では、 外とは異なる独自の文明が築き上げられている。 だが、異なるといっても、基本的には外の世界で流行った文明を後追いすることが多い。 一昔前の技術や風習をなぞり、そこから独自の文明を築き上げる。 そんな性質を持つ幻想郷だからこそ、時折、外の世界すら凌駕する技術が生まれることもある。   「ふっふっふ。いいね、たまらない。
やっぱり技術にはロマンが必要だわ。
ロマンを追い求めずして何が技術か、革命か!
幻想郷に、もっとロマンを!」
妖怪の山に住む河童。 そのうちのひとりである河城にとりは 円錐状の物体を掲げながら、それはもう嬉しそうに声を上げる。 彼女が手に持っている物体の名はドリルという。 外の世界では男のロマンだとか言われている発明品に、にとりは目をキラキラと輝かせる。   「これをロボットに搭載すれば、
超格好良くなるんじゃないかな……っ!
どんなに硬い岩でも一撃で粉砕するドリル
……いいね、すごくいい!」
仕事かどうかなど関係ない。 そこに興味が、探求心が、ロマンがある限り、彼女はどこまでも技術を追求する。   「科学に限界なんてない。このドリルのように、
幻想郷の未来を切り拓いてみせる!」  
幻想郷の技術者たちは、今日も可能性とロマンを追い求め、幻想郷に革命を起こすのだ。