// BOM
card_100_308_00,2,57
START,
SET_CARD_BG_IN,100308,0,
SET_BGM,7,
MAIN_UI_OFF,1,
FADE_IN,500,0,
WAIT_SEC,1000,
SET_CARD_TEXT,1,1,
これは、永遠に変わることのない不変の永久なる幻想郷で、
card_100_308_00_1
SET_CARD_TEXT,1,1,
誰にも認識されない須臾のトキに囚われた、悲しきお姫様の物語。
card_100_308_00_2
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_308_00_3
SET_CARD_TEXT,1,1,
「……まさか、こういう結末を
card_100_308_00_4
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_308_00_5
SET_CARD_TEXT,1,1,
迎えてしまうとはね」
card_100_308_00_6
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_308_00_7
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_308_00_8
SET_CARD_TEXT,1,1,
もし、すべての命がついえてしまったとしたら、その世界はどうなってしまうのだろうか?
card_100_308_00_9
SET_CARD_TEXT,1,1,
新たな生命が生まれることはなく、次の時代が紡がれることもない。
card_100_308_00_10
SET_CARD_TEXT,1,1,
そこにあるのは避けられない終焉だけ。まさにお先真っ暗な、足踏みするだけの世界。
card_100_308_00_11
SET_CARD_TEXT,1,1,
そんな無間地獄の牢獄に囚われた生き残りが、今ここに、ひとり存在した。
card_100_308_00_12
SET_CARD_TEXT,1,1,
蓬莱山輝夜。
card_100_308_00_13
SET_CARD_TEXT,1,1,
不老不死の肉体を持つ蓬莱人である。
card_100_308_00_14
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_308_00_15
SET_CARD_TEXT,1,1,
「いつか来るとは思っていたけれど、
card_100_308_00_16
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_308_00_17
SET_CARD_TEXT,1,1,
ここまで悲惨なものだとは思っていなかったわ。
card_100_308_00_18
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_308_00_19
SET_CARD_TEXT,1,1,
あーあ、こんなことなら
card_100_308_00_20
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_308_00_21
SET_CARD_TEXT,1,1,
不老不死になんかなるんじゃなかった。
card_100_308_00_22
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_308_00_23
SET_CARD_TEXT,1,1,
……なんて言ったら、
card_100_308_00_24
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_308_00_25
SET_CARD_TEXT,1,1,
永琳に怒られちゃうかしら?」
card_100_308_00_26
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_308_00_27
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_308_00_28
SET_CARD_TEXT,1,1,
すべての歴史を見届けた彼女だが、その歴史を引き継ぐ命はもう、この幻想郷には存在しない。
card_100_308_00_29
SET_CARD_TEXT,1,1,
彼女と永琳のふたりぼっち。彼女と言葉を交わせる者は、永琳以外、ただのひとりも――。
card_100_308_00_30
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_308_00_31
SET_CARD_TEXT,1,1,
「あら、まさかあなたも生き残っていたなんてね。
card_100_308_00_32
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_308_00_33
SET_CARD_TEXT,1,1,
さすがの私も驚いたわ」
card_100_308_00_34
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_308_00_35
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_308_00_36
SET_CARD_TEXT,1,1,
しかし、終わりを迎えた幻想郷に取り残されている人間が、もうひとりだけ存在していた。
card_100_308_00_37
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_308_00_38
SET_CARD_TEXT,1,1,
「……いいえ、本当は薄々気づいていたわ。
card_100_308_00_39
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_308_00_40
SET_CARD_TEXT,1,1,
だってあなたは、私と似た者同士なんですもの」
card_100_308_00_41
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_308_00_42
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_308_00_43
SET_CARD_TEXT,1,1,
自分と同じ境遇の被害者――その被害は彼女が与えたものであるが――を見つけた輝夜は、
card_100_308_00_44
SET_CARD_TEXT,1,1,
その者ににこりと笑って語りかけた――その声が震えていたことにも気づかずに。
card_100_308_00_45
WAIT_TOUCH,
SKIP_POS,
FADE_OUT,500,
STOP_BGM,
WAIT_SEC,2000,
END,