「大人おとなしき者が力を得る、
この下克上の世界。
道具だって世界を支配できる!
あなたは、その礎いしずえとなるのよ!」
元はただの琴であった九十九八橋は、 打ち出の小槌による異変が原因で、付喪神として生誕した。 彼女には同時に付喪神となった姉がいるが、正確には血のつながりはない。 そのせいか、姉とは似ても似つかないほど、好戦的な性格を持って生まれてきた。   「わっほーい!
世界征服の邪魔は、誰にもさせないよー!」
異変に乗じて姉とともに開始したのは、道具たちによる世界征服。 下剋上げこくじょうの時代となったこの瞬間だからこそ、ずっと抱いていた願いを成就させなくてはならない。 そう考えての反乱だったのだが――拍子抜けなほどにあっさりと、博麗の巫女に退治されてしまった。 元のただの道具に戻ってしまうのではないかと、付喪神の姉妹は恐れた。 そんな彼女に堀川雷鼓が付喪神として自身を維持する呪法を教えたことで事なきを得たのだった。   「さあ、鎮魂ライブの始まりだよー!」   今ではすっかり幻想郷の住人のひとりとなり、 姉や雷鼓たちとゲリラライブをしたりして平和に過ごしているという。