// BOM card_100_323_00,2,59 START, SET_CARD_BG_IN,100323,0, SET_BGM,7, MAIN_UI_OFF,1, FADE_IN,500,0, WAIT_SEC,1000, SET_CARD_TEXT,1,1, 「マミゾウのやつ…… card_100_323_00_1 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_323_00_2 SET_CARD_TEXT,1,1, 佐渡くらい、自分で行けばいいのに」 card_100_323_00_3 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_323_00_4 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_323_00_5 SET_CARD_TEXT,1,1, 幻想郷を自由に抜け出すことができるという理由で、 card_100_323_00_6 SET_CARD_TEXT,1,1, 封獣ぬえは友人の二ツ岩マミゾウからおつかいを頼まれていた。 card_100_323_00_7 SET_CARD_TEXT,1,1, おつかいの内容は大きくふたつ。佐渡の妖怪たちへの伝言と、贈り物の運搬だ。 card_100_323_00_8 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_323_00_9 SET_CARD_TEXT,1,1, 「ま、幻想郷にあいつを呼んだのは私だし、 card_100_323_00_10 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_323_00_11 SET_CARD_TEXT,1,1, 断れもしないんだけどさ」 card_100_323_00_12 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_323_00_13 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_323_00_14 SET_CARD_TEXT,1,1, 遠路はるばる佐渡まで向かわされているのはしゃくだが、 card_100_323_00_15 SET_CARD_TEXT,1,1, そもそも、ぬえがマミゾウを幻想郷に招きさえしなければこんなことにはならなかったのだ。 card_100_323_00_16 SET_CARD_TEXT,1,1, ――と、まあ、それはそれとして。 card_100_323_00_17 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_323_00_18 SET_CARD_TEXT,1,1, 「おつかいは別にいいんだけど、 card_100_323_00_19 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_323_00_20 SET_CARD_TEXT,1,1, 監視役までついてきてるのがなぁ」 card_100_323_00_21 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_323_00_22 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_323_00_23 SET_CARD_TEXT,1,1, 上空に浮かぶスキマに、ぬえは心底嫌そうな顔でベッと舌を出す。 card_100_323_00_24 SET_CARD_TEXT,1,1, 鵺ぬえは正体不明の妖怪だというのに、監視なんてされたら妖怪としての尊厳に関わる。 card_100_323_00_25 SET_CARD_TEXT,1,1, なので、ぬえは能力を使って、自分の姿を黒く覆った。 card_100_323_00_26 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_323_00_27 SET_CARD_TEXT,1,1, ぬえ自身、幻想郷の外に出るのは嫌いではない。 card_100_323_00_28 SET_CARD_TEXT,1,1, 夜さえも白く照らしてしまう、人工の明かり。 card_100_323_00_29 SET_CARD_TEXT,1,1, 正体不明であった数多あまたの出来事を、物理と科学によって白日の下もとにさらしてやった、 card_100_323_00_30 SET_CARD_TEXT,1,1, などと考えている――浅はかな人間たちの文明。 card_100_323_00_31 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_323_00_32 SET_CARD_TEXT,1,1, 「私が飛んでいることにすら気づけていないのに、 card_100_323_00_33 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_323_00_34 SET_CARD_TEXT,1,1, 本当におめでたいやつらだよ」 card_100_323_00_35 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_323_00_36 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_323_00_37 SET_CARD_TEXT,1,1, 文明が進んだからこそ、見えなくなるものもあるというのに。 card_100_323_00_38 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_323_00_39 SET_CARD_TEXT,1,1, 「昔の人間…… card_100_323_00_40 SET_CARD_TEXT,1,1, いいや、幻想郷の人間たちのほうが、 card_100_323_00_41 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_323_00_42 SET_CARD_TEXT,1,1, 私を直視しようとする勇気があったのかもね」 card_100_323_00_43 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_323_00_44 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_323_00_45 SET_CARD_TEXT,1,1, 常識という名の明かりに照らされた者は、ありえないものを見ることを忘れてしまった。 card_100_323_00_46 SET_CARD_TEXT,1,1, 本当に愚かなやつらだ、と評価しながら、ぬえは気ままに夜の街を飛ぶのだった。 card_100_323_00_47 WAIT_TOUCH, SKIP_POS, FADE_OUT,500, STOP_BGM, WAIT_SEC,2000, END,