「私は「読む事の出来ない無意識」で行動できる。
お姉ちゃんすら敵わなかった貴方の力、
是非見せて欲しいわー!」
お姉ちゃんも、おくうも倒したっていう人間。気になる。
おくうは太陽の力を貰ったのに、それを倒しちゃったんでしょ?
お姉ちゃんは……弱っちいけど、人間にとっては強いはずでしょ?
心が読めるんだから。
でもそんなおくうと、お姉ちゃんを倒した人間が、地上に居るなんて。
そして、この神社で会えるなんて!
これって運命かもしれない。 絶対に倒して、持ち帰るんだから。
「大丈夫大丈夫、死体は猫に運ばせるから。
一生私の家、地霊殿で暮らせるよ。
貴方の死体はエントランスに飾ってあげる!」
お姉ちゃんが言ってた。ライバルはすべて潰さないと自分の望みは叶えられない、って。
この人間たちも、神様から究極の力を貰いに来たんでしょ。
それならまずは、倒さなきゃ!
無意識に潜む弾幕。
あなたの集合的無意識には、誰が立っているの?
この弾は、そんなに当たっちゃいそうかな。貴方の妄想じゃない?
ねえ、私の気持ちを見て。受け止められるよね?
大丈夫だよ。私だって、ずっと無意識じゃないから。
なーんてね、今のは本当かな、嘘かな? 私の気持ちの本当が、貴方にはわかったの?
このかたちは、このこころは、このおもいは、貴方には何に見えているの?
抑えられないんだよ。一度見ちゃったら。気づいちゃったら。
生物は考えている事だけで行動してる訳じゃない。意識と無意識の両方で行動しているの。
ねえ、いかないで。こっちをみて。わたしはここにいる。みえるでしょ。ねえ、どうして?
秘めた薔薇の華が今、地上に咲いて。
「すごいすごい! 貴方、ただもんじゃないわ!
こりゃお姉ちゃんが負ける訳だ。
本当に人間なの?」
あの人間たち、本当にすっごいんだよ!
遊ぶついでに死体にして持ち帰ろうと思ったのに、全然弾が当たらなかった!
人間じゃないのかなと思ったけど、よく聞いたらちゃんと人間みたい。
こんなに面白い生き物がいるなんて。どうしてこんなに面白いんだろう。
うーん、どうしよう。この子たちの心が読めたら良かったのに、って、思っちゃった。
私は第三の瞳を閉ざしたのに。
「貴方、何の為にその強い力を持っているの?
今度、家に遊びに来て!
面白い怨霊とか用意しておくから」
気になる。気になる気になる。どうしてこんなにこの人間が気になるんだろう。
元々は、山の神様にすっごい力を貰いに来たのに、どうでも良くなっちゃった。
この二人のことが知りたい。
まず手始めに地底の地霊殿に招待してね、
中庭に白いテーブルと、お姉ちゃんの部屋からおっきなソファーを持ってきてね、
お姉ちゃんやおくう、お燐と、どんな風に戦ったのか聞いてみたい。
おくうはともかく、戦ってるお燐の話、聞いてみたい。あとね、お姉ちゃんは絶対変な顔してた。
今までこの子たちは、どんな妖怪と戦ってきたのかな。
こんなに強いってことは、今までたくさんの妖怪と弾幕ごっこをしているに違いないもの。
ずっと二人の話が聞きたい。
この二人のことが知りたい。この気持ちは何なんだろう。
私に芽生えたこの心は、なんなんだろう。
わからない。わからないから知りたい。
そっか、この気持ちは……。
「……っていうのが、霊夢と魔理沙と
最初に会った時の話だよ。何でも忘れる私が
このときのことは、まだ少し覚えているんだ」
「だからちょっとだけ、私も色んな所に
行ってみることにしたんだよ。この後にね」
「ねえねえ、ところで、
私はいま、誰と喋っているのかな?」
「無意識を手に入れた私の心は
誰にも読むことが出来ない。
お姉ちゃんにもわからないのに」
「だから、こんな風に、心のなかで
会話できるはず無いのに」
「わたしのこころはわたしのものなのに。
どうしてわたしとはなしているの?」
「あなたは、
誰?」