// BOM card_100_330_01,2,40 START, SET_CARD_BG_IN,100330, SET_BGM,7, MAIN_UI_OFF,1, FADE_IN,500,0, WAIT_SEC,1000, SET_CARD_TEXT,1,1, かつて、ひとりの少女がいた。 card_100_330_01_1 SET_CARD_TEXT,1,1, 桜のような髪を持ち、『歌聖』と呼ばれた父の元に生まれた、無邪気な少女。 card_100_330_01_2 SET_CARD_TEXT,1,1, 彼女の父は、ある日、死を迎えた。 card_100_330_01_3 SET_CARD_TEXT,1,1, 満開になった桜の下で死にたいという、己の望みを果たすかのように、 card_100_330_01_4 SET_CARD_TEXT,1,1, それはもう立派な桜の木の下で、永遠の眠りについた。 card_100_330_01_5 SET_CARD_TEXT,1,1, すると、歌聖を慕っていた者たちもその後を追うように、満開になったその桜の下で命を落とした。 card_100_330_01_6 SET_CARD_TEXT,1,1, 数多あまたの血肉を、行き場を失った生気を吸った桜の木が card_100_330_01_7 SET_CARD_TEXT,1,1, 妖怪桜になるまでに、そう時間はかからなかった。 card_100_330_01_8 SET_CARD_TEXT,1,1, 西行妖と呼ばれるようになった桜の下で、ひとり、またひとりと命を落としていく。 card_100_330_01_9 SET_CARD_TEXT,1,1, そしてついに、少女の番がやってきた。 card_100_330_01_10 SET_CARD_TEXT,1,1, 彼女は、父が愛した桜が人を殺すだけの妖怪になったことを嘆き、西行妖の下で自ら命を絶った。 card_100_330_01_11 SET_CARD_TEXT,1,1, もう、誰も死なせたくない――そんな彼女の願いが届いたのか、西行妖は封印された。 card_100_330_01_12 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_330_01_13 SET_CARD_TEXT,1,1, 「西行妖が満開になったら、 card_100_330_01_14 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_330_01_15 SET_CARD_TEXT,1,1, どれだけ素敵な光景が見られるのでしょうね。 card_100_330_01_16 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_330_01_17 SET_CARD_TEXT,1,1, 寒いだけの、暗いだけの冥界じゃない、 card_100_330_01_18 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_330_01_19 SET_CARD_TEXT,1,1, 美しく華やかな、新たな冥界が見られるかしら?」 card_100_330_01_20 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_330_01_21 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_330_01_22 SET_CARD_TEXT,1,1, 亡霊となった少女――西行寺幽々子は、西行妖の下に何が封印されているのかを知らない。 card_100_330_01_23 SET_CARD_TEXT,1,1, 彼女の反魂はんごんの術が成功して、西行妖の封印が解け、桜の下の死者が生き返ったとき、 card_100_330_01_24 SET_CARD_TEXT,1,1, 桜を愛した少女は千年の時の流れを経て、再び死を迎えることだろう。 card_100_330_01_25 SET_CARD_TEXT,1,1, 当然、少女が亡霊化した存在である幽々子も無事では済まない。 card_100_330_01_26 SET_CARD_TEXT,1,1, 幽々子の無自覚な自殺が成功するのが先か、勇気ある若者たちが異変を止めるほうが先か。 card_100_330_01_27 SET_CARD_TEXT,1,1, その行く末を知ってか知らずか――西行妖は今まさに満開の時を迎えようとしていた。 card_100_330_01_28 WAIT_TOUCH, SKIP_POS, FADE_OUT,500, STOP_BGM, WAIT_SEC,2000, END,