// BOM card_100_345_00,2,52 START, SET_CARD_BG_IN,100345,0, SET_BGM,7, MAIN_UI_OFF,1, FADE_IN,500,0, WAIT_SEC,1000, SET_CARD_TEXT,1,1, 気を使う程度の能力を持ち、さらに武術の心得もある、紅魔館こうまかん最強の門番――紅美鈴。 card_100_345_00_1 SET_CARD_TEXT,1,1, その守りは虫一匹通さぬほどに強固であり、外敵の侵入を許すことは本当にたまにしかない。 card_100_345_00_2 SET_CARD_TEXT,1,1, そんな輝かしい戦績を誇る美鈴。 card_100_345_00_3 SET_CARD_TEXT,1,1, しかし、彼女は今、窮地に立たされていた。 card_100_345_00_4 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_345_00_5 SET_CARD_TEXT,1,1, 「あっづい……咲夜さんから頼まれたとはいえ、 card_100_345_00_6 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_345_00_7 SET_CARD_TEXT,1,1, 何の対策もなしにこの暑さの中で作業するのは、 card_100_345_00_8 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_345_00_9 SET_CARD_TEXT,1,1, さすがに無謀でしたかね……」 card_100_345_00_10 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_345_00_11 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_345_00_12 SET_CARD_TEXT,1,1, 限界まで鍛え上げられた彼女の肉体であっても耐えることができない、あまりにも強大な敵。 card_100_345_00_13 SET_CARD_TEXT,1,1, 夏の暑さという最強の敵を前に、彼女は白旗を上げざるを得なかった。 card_100_345_00_14 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_345_00_15 SET_CARD_TEXT,1,1, 「あー……頭がくらくらしてきました…… card_100_345_00_16 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_345_00_17 SET_CARD_TEXT,1,1, もう無理です、限界です」 card_100_345_00_18 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_345_00_19 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_345_00_20 SET_CARD_TEXT,1,1, 彼女が紅魔館こうまかんのメイド長から頼まれたのは、庭園の手入れという単純な肉体労働。 card_100_345_00_21 SET_CARD_TEXT,1,1, 身体を動かすことが得意な美鈴は二つ返事で承諾したのだが、 card_100_345_00_22 SET_CARD_TEXT,1,1, 炎天下での作業がここまでつらいとは、さすがに予想できなかったのである。 card_100_345_00_23 SET_CARD_TEXT,1,1, もはや立っていることすら叶わず、崩れるように木陰へと腰を下ろす美鈴。 card_100_345_00_24 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_345_00_25 SET_CARD_TEXT,1,1, 「こりゃ、お嬢様たちが外に出たら card_100_345_00_26 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_345_00_27 SET_CARD_TEXT,1,1, 一瞬で灰になっちゃうかもしれませんねえ……」 card_100_345_00_28 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_345_00_29 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_345_00_30 SET_CARD_TEXT,1,1, 軽口をたたきながら、メイド長が用意してくれていた箱をゆっくりと開ける美鈴。 card_100_345_00_31 SET_CARD_TEXT,1,1, ぶわっと噴き出す冷気にひるむことなく、彼女が中から取り出したのは一本の氷菓子。 card_100_345_00_32 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_345_00_33 SET_CARD_TEXT,1,1, 「まぁ、こんなに美味しいものが味わえるなら、 card_100_345_00_34 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_345_00_35 SET_CARD_TEXT,1,1, たまには負けるのも悪くないですね」 card_100_345_00_36 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_345_00_37 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_345_00_38 SET_CARD_TEXT,1,1, 盛夏に敗績した彼女は、諦観した様子で手にした氷菓子を口へと運び、 card_100_345_00_39 SET_CARD_TEXT,1,1, ――幸せそうにその頬を緩めるのであった。 card_100_345_00_40 WAIT_TOUCH, SKIP_POS, FADE_OUT,500, STOP_BGM, WAIT_SEC,2000, END,