ライブとは、演者だけで作りあげられるようなものではない。 当然、一番目立つのはステージ上の出演者だ。 美しいサウンド、熱狂的なミュージック。観客を魅了し、心を躍らせる。 しかし、そもそも、ライブを組んだのは誰なのか。出演者のステージを用意したのは誰なのか。 森羅万象、あらゆる事象には、表立たない陰の立役者や監督というものが存在する。 地獄の女神、ヘカーティア・ラピスラズリは今、そんな裏方のひとりを務めている。
「ピースになるべく多くの
スポットライトが当たるように。
でも、まぶしすぎてはいけないわ。強すぎる光は、
あの子のかわいさを打ち消してしまうもの。
大切なのは派手さとかわいさの両立。
目立てばいいというものではないわ」
ステージの設備ひとつひとつを確認しながら、スタッフに指示を飛ばす。 彼女は裏方。大事な部下であるクラウンピースのためにライブを作りだす、陰の立役者。 可愛い部下の一世一代の大舞台。 それを実現するためならば、一切の妥協をせず、できるだけのサポートをとことんやり尽くす。   「私のオススメしたライブ衣装はピースに
却下されてしまったけど、それはそれ。
ステージ上の演出で、あの子の魅力を十倍
……いいえ、百倍に引き上げてみせるわよん♡」