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もうすぐ夏が終わる。
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それは、エタニティラルバにとって、好ましくないことだ。
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「んぅ……ふわわぁ……
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あれ、もう朝になっちゃったの……?」
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草木に朝露が下りる朝。
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寒さをしのぐために適当な廃屋で眠っていた彼女は、差しこむ朝日で目を覚ました。
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湿った羽をバタバタと振り、廃屋の中からひょっこりと飛びだす。
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「ふふ。おはよう。
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あなたも今起きたばっかりなのかしら?」
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朝日の下でぐぐっ……っと背伸びをしながら、
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ラルバは廃屋の壁で咲き誇るアサガオたちにあいさつを送る。
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夏の象徴、この子たちが咲いているあいだは、まだ夏は終わらない。
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しかし、夏の終わりはもう目の前。
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アサガオたちがその短い生涯を終えるのは、そう遠い未来ではない。
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ラルバはアサガオに埋もれるようにして壁に寄りかかると、優しげな微笑みを彼らに向ける。
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「あなたの顔が見られて、とても嬉しいわ。
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それで……今日はどんなお話をしましょうか?」
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アサガオを通して、過ぎゆく夏に想いを馳せる。
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少なくなった蝉の声、枯れ始めた緑葉の数々。
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忘れてしまいそうな夏の名残を耳に残し、ラルバはひとり、穏やかな時間を過ごすのだった。
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