// BOM card_100_395_01,2,105 START, SET_CARD_BG_IN,100395, SET_BGM,7, MAIN_UI_OFF,1, FADE_IN,500,0, WAIT_SEC,1000, SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_395_01_1 SET_CARD_TEXT,1,1, 「あっははは、正体不明の弾幕の餌食になれ！ card_100_395_01_2 SET_CARD_TEXT,1,1, あんたなんかもうきらいだ―！」 card_100_395_01_3 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_395_01_4 SET_CARD_TEXT,1,1, 妖怪の山の空に二人の影が飛び、鮮やかな弾幕が空に広がる。 card_100_395_01_5 SET_CARD_TEXT,1,1, 少し前、ぬえが正邪に向かって弾幕を放ち、正邪を追い立て始めたのだ。 card_100_395_01_6 SET_CARD_TEXT,1,1, 慌てて逃げた正邪だが、地上では避けきれずにやむなく上空へと飛ぶことになった。 card_100_395_01_7 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_395_01_8 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_395_01_9 SET_CARD_TEXT,1,1, 「だーーー！ card_100_395_01_10 SET_CARD_TEXT,1,1, 急に攻撃しやがって、んなことしたら……」 card_100_395_01_11 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_395_01_12 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_395_01_13 SET_CARD_TEXT,1,1, 天狗たちがそれに気付かないはずもなく、大量の天狗が森や空から飛び出してくる。 card_100_395_01_14 SET_CARD_TEXT,1,1, その数はかなり多い上に、年末に仕事を増やした正邪たちに殺気立っているようだ。 card_100_395_01_15 SET_CARD_TEXT,1,1, 山頂からは、ぬえと正邪に向かい星空を思わせる無数の弾幕が飛来していた。 card_100_395_01_16 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_395_01_17 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_395_01_18 SET_CARD_TEXT,1,1, 「あらら……これ、まずいかも？」 card_100_395_01_19 SET_CARD_TEXT,1,1, 口ではそう言いながら、ぬえは内心で舌を出す。 card_100_395_01_20 SET_CARD_TEXT,1,1, 正邪を攻撃して地上から追い立てたのは、自分が協力しやすい状況を作るためのものだ。 card_100_395_01_21 SET_CARD_TEXT,1,1, ぬえ自身のために包囲を破る、という言い訳を用意すれば、正邪も文句は言うまい。 card_100_395_01_22 SET_CARD_TEXT,1,1, 正邪の抗議をかき消すように、ぬえは大きく叫んだ。 card_100_395_01_23 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_395_01_24 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_395_01_25 SET_CARD_TEXT,1,1, 「休戦ね！　一回包囲を抜けましょうか！」 card_100_395_01_26 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_395_01_27 SET_CARD_TEXT,1,1, 「……さて、ここからが本番。 card_100_395_01_28 SET_CARD_TEXT,1,1, 大妖怪の腕の見せ所、ってとこかしら？」 card_100_395_01_29 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_395_01_30 SET_CARD_TEXT,1,1, 押し寄せる天狗たちと、回避不能と言ってもいい弾幕の中。　 card_100_395_01_31 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_395_01_32 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_395_01_33 SET_CARD_TEXT,1,1, 「おい！　なに勝手に手助けしてんだよ！？」 card_100_395_01_34 SET_CARD_TEXT,1,1, 協力する気は……」 card_100_395_01_35 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_395_01_36 SET_CARD_TEXT,1,1, 「私もないから安心してよ。 card_100_395_01_37 SET_CARD_TEXT,1,1, 互いに利用し合いましょう！」 card_100_395_01_38 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_395_01_39 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_395_01_40 SET_CARD_TEXT,1,1, 「利用って……ああ分かったよ、 card_100_395_01_41 SET_CARD_TEXT,1,1, 盾にでもなんでも使ってやる！」 card_100_395_01_42 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_395_01_43 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_395_01_44 SET_CARD_TEXT,1,1, 正邪は片手を振ると、『何でもひっくり返す程度の能力』で、 card_100_395_01_45 SET_CARD_TEXT,1,1, 追手の天狗たちの感覚と視界を逆向きにする。 card_100_395_01_46 SET_CARD_TEXT,1,1, そこにすかさずぬえが『正体不明の種』を植え付け、 card_100_395_01_47 SET_CARD_TEXT,1,1, 天狗たちと自分たちの姿をすべて『正体不明の未確認飛行物体』に変えていく。 card_100_395_01_48 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_395_01_49 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_395_01_50 SET_CARD_TEXT,1,1, 「一対一よりやり易いわね。ふふふ、 card_100_395_01_51 SET_CARD_TEXT,1,1, 何もわからないまま、死んでいけ！」 card_100_395_01_52 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_395_01_53 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_395_01_54 SET_CARD_TEXT,1,1, 仲間の姿も声も、上下左右の感覚も分からなくなった天狗たちが混乱する中で、 card_100_395_01_55 SET_CARD_TEXT,1,1, ぬえと正邪は飛来する弾幕を避け、明け方の空を疾駆した。 card_100_395_01_56 SET_CARD_TEXT,1,1, 闘い、迎撃し、必死に逃げて……ぬえと正邪は、ようやく包囲網を脱した。 card_100_395_01_57 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_395_01_58 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_395_01_59 SET_CARD_TEXT,1,1, 「……なんとか逃げられたわね。 card_100_395_01_60 SET_CARD_TEXT,1,1, ふふ、ひさしぶりに暴れ回った気がするわ」 card_100_395_01_61 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_395_01_62 SET_CARD_TEXT,1,1, 「私は疲れたよ。はー、誰のせいだまったく」 card_100_395_01_63 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_395_01_64 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_395_01_65 SET_CARD_TEXT,1,1, 明るい日の光が地平線を照らす中で、ぬえは笑う。 card_100_395_01_66 SET_CARD_TEXT,1,1, 「いいじゃない、逃げきれたんだし。 card_100_395_01_67 SET_CARD_TEXT,1,1, こんな綺麗な日の出も見れたんだもの」 card_100_395_01_68 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_395_01_69 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_395_01_70 SET_CARD_TEXT,1,1, 「け……嫌いだね、日の出もお前も」 card_100_395_01_71 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_395_01_72 SET_CARD_TEXT,1,1, 「そう言って笑ってない？　素直じゃないわね」 card_100_395_01_73 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_395_01_74 SET_CARD_TEXT,1,1, 「……ふん」 card_100_395_01_75 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_395_01_76 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_395_01_77 SET_CARD_TEXT,1,1, 妖怪の山で攻撃したことについて、正邪は言及して来なかった。 card_100_395_01_78 SET_CARD_TEXT,1,1, かといって離れるでもなく。ただなんとなく二人で空を飛び、同じ方向に逃げている。 card_100_395_01_79 SET_CARD_TEXT,1,1, 正邪がそうする理由は分からないし、ぬえも尋ねる気はない。 card_100_395_01_80 SET_CARD_TEXT,1,1, ただ、澄んだ風に身を任せて飛ぶ今があれば、それで十分に思えた。 card_100_395_01_81 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_395_01_82 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_395_01_83 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_395_01_84 SET_CARD_TEXT,1,1, 「私にもお前にも日の出は似合わねーだろ。 card_100_395_01_85 SET_CARD_TEXT,1,1, あんまり似合わないから嗤わらっただけだ」 card_100_395_01_86 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_395_01_87 SET_CARD_TEXT,1,1, 「ぷ……あはは、それはそうね。 card_100_395_01_88 SET_CARD_TEXT,1,1, その通りだわ。日陰者だものね、私たち」 card_100_395_01_89 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_395_01_90 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_395_01_91 SET_CARD_TEXT,1,1, 朝の風を切り、日陰者たちは空を飛ぶ。 card_100_395_01_92 SET_CARD_TEXT,1,1, 西の空に向かう二人の楽しそうな声が、輝かしい朝日の中に響いて消えた。 card_100_395_01_93 WAIT_TOUCH, SKIP_POS, FADE_OUT,500, STOP_BGM, WAIT_SEC,2000, END,