騒霊そうれいは少女が使える大魔法のひとつとも言われている。 ――そう、幻想郷の記録にはつづられていた。 今もずっとこの幻想郷で、さまざまな音楽を演奏している騒霊そうれい。 長女、ルナサ・プリズムリバー。 次女、メルラン・プリズムリバー。 そして三女の、リリカ・プリズムリバー。 彼女たちは、プリズムリバー三姉妹と呼ばれていた。 織りなされる躁そうの音色、鬱うつの音色、 時に人々を悩ませ、感動させ、楽しませた。
「私たちの音色は、受け取る側の認識次第……。 楽しいも苦しいも、嬉しいも悲しいも……
すべては観客の受け取り方に左右される」   「でも、それだとつまらない。私たちだって、 みんなの心を好きにかき乱したいもの」
「見えないものを見せられる、聞こえない音を 聞かせられる、そんな音色を演奏したい。 ひとりじゃ無理かもしれないけれど、 三人ならできちゃうんだから!」  
音楽には無限の可能性がある。人を楽しませるだけが音楽ではない。 プリズムリバー三姉妹は、自分の心が赴くままに音を奏でる。 幻想郷のあちらこちらで、ゲリラライブを開催しながら――。