「私の家が大木に潰されちまったんだ。
生えてきたわけでもない、突然現れた、大木にな」
また面倒事に巻き込まれたのだと、少女は知っていた。
「今のままじゃどうにもならないし、
たとえ戯言ざれごとだとしても、試して損はないだろ」
自分のやるべきことはひとつだと、少女は知っていた。
「げ、幻想郷だけじゃなく、
その他、すべての世界を滅ぼす、だって……!?」
世界の破滅がもう避けられないことを、少女は知っていた。
「私たちの帰る場所まで消すつもりってことだろ?
そんなの、絶対に止めてやる!」
本物と贋物にせものの違いなど些細ささいな問題に過ぎないことを、少女は知っていた。
――そして、すべてが共鳴する。