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キラキラ輝く飾りで包まれた、見渡す限りのパーティ会場。
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豪華な食事に多くの客人。パーティを盛りあげるために奏でられる曲の数々。
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今日は、紅魔館の記念日を祝う宴会が行われる日。
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フランドール・スカーレットは見たことのない世界に、目を輝かせていた。
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「――ずっと、世界は
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静かな方がいいと思っていたわ」
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凶暴だから、手がつけられないからという理由でかつて地下に幽閉されていたフラン。
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食事や本は運ばれてくるし、そもそも自分から外に出るつもりもなかった。
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だから、外の世界なんて知るきっかけすらなく、フラン自身もそれでいいと思っていた。
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――だけどそれは、間違いだった!
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外の世界は、彼女が思っている以上にきれいだった。
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外の世界は、彼女が思っている以上に広大だった。
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未知の体験、見たことのない景色が、外の世界には当たり前のように存在していた。
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「……でも、すこしは、うるさくてもいいかもね」
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辺りを見渡せば、パーティの招待客たちがそれはもう楽しそうな表情を浮かべている。
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チルノにちょっかいをかけられる美鈴の賑やかな声が聞こえてくるし、
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その隣ではルーミアがマイペースに遊んでいる。
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地下深くで、ひとりぼっちだったあのときとは、大違いだ。
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「お外に出てきて、本当によかったわ」
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ようやく手に入れた幸せな時間に、フランは子供のように笑うのだった。
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