「ひいいいいぃぃぃ
やっほおおおおおおぉぉぉぉ!」
新聞に導かれるままに幻想郷の湖までやってきた霧雨魔理沙きりさめまりさ。
水着に着替えた彼女は、湖の上で船のようなものにつかまり、そのまま水上を走り回っていた。
「あっははは! これがウィンドサーフィンか!
意外と楽しいな!」
セイルボードと呼ばれる板をつかみながら、あいているほうの手を水面に触れさせる。
大量の水しぶきが魔理沙の身体からだを襲うが、この暑さの中ではその冷たさすら心地いい。
「楽しい……が、まだまだスピードが足りないな!
もっとスピード出せるんだろう?
さあさあ、もっと飛ばしていくぜ!」
要領をつかんできたのか、魔理沙はどんどんスピードを上げていく。
「弾幕も遊びも、
大事なのはパワーとスピードだぜ!
あっはははは! 限界まで速度を上げるぜ、
私の邪魔は誰にもさせない!」
その元気な声と明るい雰囲気は、夏の暑さにやられるどころか、
見る者に一緒に夏を楽しみたいと思わせるようなものだった。
誰もが暑さに耐えきれず、動くことすらままならなくなる夏の季節。
四季の美しい幻想郷にて、彼女はその夏を心ゆくまで堪能するのだった。