// BOM card_100_472_00,2,59 START, SET_CARD_BG_IN,100472, SET_BGM,7, MAIN_UI_OFF,1, FADE_IN,500,0, WAIT_SEC,1000, SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_472_00_1 SET_CARD_TEXT,1,1, 名とは器であり、存在と力を縛る枷だ。 card_100_472_00_2 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_472_00_3 SET_CARD_TEXT,1,1, そこから解き放たれるには、自らの名を捨て、無名の存在となればいい。 card_100_472_00_4 SET_CARD_TEXT,1,1, 復讐のためには、必要なことだ。 card_100_472_00_5 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_472_00_6 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_472_00_7 SET_CARD_TEXT,1,1, 「     」 card_100_472_00_8 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_472_00_9 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_472_00_10 SET_CARD_TEXT,1,1, 音なき声。 card_100_472_00_11 SET_CARD_TEXT,1,1, それは、名の束縛から解き放たれた一人の復讐者の、産声だったのかもしれない。 card_100_472_00_12 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_472_00_13 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_472_00_14 SET_CARD_TEXT,1,1, 遠い昔のまどろみから、純狐じゅんこは目を覚ます。 card_100_472_00_15 SET_CARD_TEXT,1,1, 故郷の星……地球が映る海の上を浮遊する純狐じゅんこは、 card_100_472_00_16 SET_CARD_TEXT,1,1, すぐに今の状況に思考を巡らせて、静かなため息を吐いた。 card_100_472_00_17 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_472_00_18 SET_CARD_TEXT,1,1, 「また、お前に届かないのね」 card_100_472_00_19 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_472_00_20 SET_CARD_TEXT,1,1, 復讐すべき怨敵、嫦娥じょうが。 card_100_472_00_21 SET_CARD_TEXT,1,1, 彼女は今、月の民と共に夢の世界にいる。 card_100_472_00_22 SET_CARD_TEXT,1,1, そこは言うなれば袋小路ふくろこうじだ。月の民も嫦娥じょうがも逃げ場はなく、打つ手もない。 card_100_472_00_23 SET_CARD_TEXT,1,1, そのはずだった。 card_100_472_00_24 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_472_00_25 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_472_00_26 SET_CARD_TEXT,1,1, 「まさか月面に地上人を送り込むなんて、 card_100_472_00_27 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_472_00_28 SET_CARD_TEXT,1,1, いつから穢けがれに寛容になったのかしら?」 card_100_472_00_29 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_472_00_30 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_472_00_31 SET_CARD_TEXT,1,1, 月の賢者の策だろう、 card_100_472_00_32 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_472_00_33 SET_CARD_TEXT,1,1, 月面に送り込まれた地上人がクラウンピースを打ち破り、こちらに向かってきている。 card_100_472_00_34 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_472_00_35 SET_CARD_TEXT,1,1, 穢れを嫌う月の住民が取る策とは思えなかったが、 card_100_472_00_36 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_472_00_37 SET_CARD_TEXT,1,1, それ故に純狐じゅんこはこの事態に対抗する手段を持ちえなかった。 card_100_472_00_38 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_472_00_39 SET_CARD_TEXT,1,1, 完全に策が潰えたわけではないが、賢者の知能を考えれば、他の手にも対策は取られているはず。 card_100_472_00_40 SET_CARD_TEXT,1,1, 月の賢者の奇策によって、純狐じゅんこの策は終わりを迎えたのだ。 card_100_472_00_41 SET_CARD_TEXT,1,1, 「口惜しい……」 card_100_472_00_42 SET_CARD_TEXT,1,1, 呟いた言葉を噛み締めるように、純狐じゅんこは薄く瞼を閉じ、深く息を吐く。 card_100_472_00_43 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_472_00_44 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_472_00_45 SET_CARD_TEXT,1,1, 送り込まれた地上人が純狐じゅんこの元に辿り着いたのは、それからほどなくしての事だった。 card_100_472_00_46 , WAIT_TOUCH, SKIP_POS, FADE_OUT,500, STOP_BGM, WAIT_SEC,2000, END,