夜雀よすずめの妖怪、ミスティア・ローレライ。
『歌で人を狂わせる程度の能力』を持つ彼女は
人を襲うことと歌うことが大好きな、自他ともに認めるお気楽妖怪である。
「歌は元気のもと。悲しい歌なんて歌って
感傷的になっても無駄無駄。
やるなら徹底的に
盛り上がることを追求しなくっちゃ。
悲劇的な歌なんて、以もってのほかよ!」
主に調子が良くて激しめの歌を好んで歌っているため、
古参の歌妖怪からは煙たがれる一方、人里の若者たちからは一定の人気があるミスティア。
そんな彼女は妖怪獣道で八目鰻やつめうなぎの屋台を営んでいる。
「お得意様ができたのもそうだけど、
噂を聞いて来てくれる一見さんもいたりするのよ?
妖怪として人を襲ってたときからは
考えられないぐらい、今は充実しているわ」
彼女の焼く八目鰻やつめうなぎは絶品で、妖怪に襲われる危険リスクを負ってでも屋台を訪れる客もいるとか。
そんなお客さんたちの努力を労うように、ミスティアはときどき持ち前の美声を披露する。
「みんなが喜んでくれるなら、
出し惜しみなんてしていられないもの。
それに、最近は、私の歌を聴くために
来てくれる人もいるくらいなんだから」
当然、彼女の歌声は安売りされていない。
どうしてもその歌を聴きたかったら、彼女のお眼鏡にかなうような行動をとるようにしよう。