「あはは!」 宵闇よいやみの空を翔けながら、フランドールは笑う。 久方ぶりの外出に、彼女の心はとても弾んでいた。 さて、誰と遊ぼうか……などと考えつつも、特に行く当てもなく、月を背にふらふらと飛ぶ。  
ふと、どこかから声が聞こえてきた。
「あなたは、食べてもいい人類?」  
声の主は、闇の妖怪・ルーミアだった。 その姿を確認して、フランドールはなんだ……という表情をして、そっけなく返す。 「残念だけど、私は人類じゃないの。」
「そーなのかー。 じゃあ私が遊んであげても問題ないよね。」  
気に留めた風でもなく、ふよふよと漂いながらルーミアが言葉を返す。  
「奇遇ね、私も遊び相手を探していたところなの。  あなたはすぐに壊れたりしないわよね?」   紅い瞳がルーミアを見据えた瞬間、ダンマクカグラの幕が開く。  
月明かりの下、二人は踊るように競い合うのだった……