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博麗神社
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博麗 霊夢:
……え? 剣の修行? 私が?
魂魄 妖夢:
はい! 昨日の宴会で言ってたじゃない。
自分もやってみたいって。
魂魄 妖夢:
そういうわけだから、さっそく始めましょう。
はいコレ、あなたの分の木刀。
博麗 霊夢:
言ったっけ……って、いや、たしかに言ったけど。
あんな酒の席での言葉を本気にされるとは……。
博麗 霊夢:
まあ、せっかく用意してくれたんだし、
ちょっとやってみるか。
魂魄 妖夢:
そうこなくっちゃ。まずは素振りね。
いち! に! さん! しっ!
博麗 霊夢:
ちょ、はや……!
ご、ごー! ろく! しち! はち!
博麗 霊夢:
ふうっ! こうして身体を動かすの、
なかなか悪くないわね……!
魂魄 妖夢:
すごいじゃない、霊夢! 魂魄式百本素振りに
しっかり、ついてこられるなんて!
魂魄 妖夢:
構えも様になってるし、振りもしっかりしてる。
霊夢が、こんなに筋がいいなんて驚いたわ。
博麗 霊夢:
そ、そう?
ちょっと剣の修行、続けてみようかしら……。
魂魄 妖夢:
いち! に! さん! しっ!
博麗 霊夢:
ご! ろく! しち! はちっ!
魂魄 妖夢:
えっ! 今日はもう素振りを終わらせてるの!?
博麗 霊夢:
最近、剣を振るのが楽しくてね。
じゃ、さっそく手合わせしましょ!
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数日後
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魂魄 妖夢:
霊夢、来たわよー。今日も剣の修行を……
博麗 霊夢:
やめた。
魂魄 妖夢:
……え? やめた?
博麗 霊夢:
昨日ね、素振りをしている時に、妖精たちが来たから
追い返そうとしたんだけど……
博麗 霊夢:
ぜんっぜん! 一振りも! 当たらなかったのよ!
魂魄 妖夢:
あぁ~……。妖精って、ちょこまか動くから
捉えにくいのよね。小さいやつだと特に。
博麗 霊夢:
必死に木刀を振る私を見る、あいつらの顔……
いま思い出しても腹が立つったら!
博麗 霊夢:
そういうわけで、やめたわ。剣の修行。
はー。慣れないことはするもんじゃないわー。
魂魄 妖夢:
せっかくいいもの持ってるのに……、やれやれ。
まあ、霊夢らしいっちゃ、らしいけどね。