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博麗神社
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博麗 霊夢:
はぁ~、焚火を見ていると落ち着くわねぇ。
さてさて、お芋さんは焼けたかなっと……。
射命丸 文:
ご無事ですか、霊夢さん~っ!?
博麗 霊夢:
え? なによ、そんなに慌てて。
射命丸 文:
神社から煙が上がっていたので
火事でも起きたのではと心配したんですよ。
射命丸 文:
博麗の巫女は、幻想郷の大切な存在。それに、
あなたの死亡記事なんて書きたくありませんし。
博麗 霊夢:
あらそう。ほら、お芋焼けたわよ。
よかったら、あんたもどうぞ。
射命丸 文:
あちちっ。ありがとうございます。
ふう、いいですねぇ。焚火で焼き芋。
射命丸 文:
あ、そうだ。今日はこれを届けに来たんですよ。
はい、文々。新聞の最新刊。
博麗 霊夢:
ああ、ありがと。ほいっと。
射命丸 文:
ちょっ……、ああーっ!?
精魂込めて作った新聞が、焚火の中に!!
射命丸 文:
な、なんで!?
なんで、少しも読まずに燃やしたんですか!?
博麗 霊夢:
だってこの焚火、あんたが置いてった
新聞の山を片付けるためにやっているんだもの。
博麗 霊夢:
いい加減、蔵がいっぱいなのよ。
そろそろ処分しないと、あふれそうでさぁ。
射命丸 文:
そ、そんな……。こんなことしたら、
読まれずに捨てられた新聞たちの無念が祟って!
博麗 霊夢:
紙舞とかって妖怪が出るんでしょ?
そのくらい、ちゃんと覚えているわよ。
博麗 霊夢:
だから、燃やしてるやつは、全部しっかり
読んでいるわ。さっきの新聞も、ちょっと見たし。
博麗 霊夢:
それに、これはお焚き上げも兼ねているからね。
新聞たちの無念も、しっかり成仏するはずよ。
射命丸 文:
そ、そうですか……。
新聞記者の無念は、募る一方ですけど……。
博麗 霊夢:
ま、いいじゃないの。
ほら、またお芋が焼けたわよ。食べる?
射命丸 文:
うぅ、いただきます……。
はあぁぁ……。