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人間の里
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博麗 霊夢:
それじゃ行くわよ、菫子。
宇佐見 菫子:
ねえねえ、レイムっち。
本当に、住む家を探さなきゃダメ?
宇佐見 菫子:
たしかに私は外の世界の人間だから、
幻想郷に家はないけど……。
博麗 霊夢:
ダメよ。だって、あなた、
まだ外の世界に帰れていないんでしょ?
博麗 霊夢:
それなら、博麗神社を頼ってばかりじゃなくて、
ちゃんと自分の住む家を持ちなさい。
博麗 霊夢:
とにかく、今日はあなたのために
空き家を紹介してもらうことになっているんだから。
宇佐見 菫子:
はーい。それじゃ、
夢のマイホーム探しに、レッツゴー!
宇佐見 菫子:
なんか……。どの家も微妙だったね。
宇佐見 菫子:
狭すぎて横にもなれない長屋の一室とか、
広いけど壁も床も穴だらけのボロ家とか……。
博麗 霊夢:
他の、割とまともな家も、
あなたの好みには合わなかったみたいだしね。
博麗 霊夢:
候補が全滅なんて、困ったわ。
あなた、いったいどういう家に住みたいの?
宇佐見 菫子:
住みたい家? うーん。
……あ、森の中の一軒家とかいいよね!
宇佐見 菫子:
それか、湖近くの不気味な洋館とか、
空に浮かぶ逆さのお城とかも、楽しそう!
博麗 霊夢:
本気で言ってるの……?
どれも、あまりオススメしないけど。
宇佐見 菫子:
あはは。それじゃ、そうね~……。
やっぱり街中よりは、郊外の家がいいかなぁ。
博麗 霊夢:
ああ、なるほど。
静かな所がいいのね。
宇佐見 菫子:
だけど、色んな人が来るから退屈しなくて、
居心地がよくて、外の世界にも近くて……。
宇佐見 菫子:
なにより、幻想郷らしい素敵な場所。
そんな場所に、住みたいわね。
博麗 霊夢:
……はぁ~。
博麗 霊夢:
はいはい。わかったわよ、もう。
何をそんなに気に入ったんだか知らないけど……。
博麗 霊夢:
しょうがないから、もうしばらくは
うちの神社で面倒を見てあげるわ。
宇佐見 菫子:
わーい! ありがとう、レイムっち!
今後とも、お世話になりまーす!
博麗 霊夢:
ただし! あんたの家探しは続けるからね!
いつか絶対、理想の家を見つけてやるわよ!