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魔法の森
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霧雨 魔理沙:
ずいぶん帰るのが遅くなったな……。
……ん? 誰だ? こんな真夜中に。
フランドール・スカーレット:
あら、魔理沙じゃない。
霧雨 魔理沙:
なんだ、フランか! 珍しいな。
こんな時間に、どうしたんだ?
フランドール・スカーレット:
私、家出してきたの。
霧雨 魔理沙:
い、家出だって!?
紅魔館からもめったに出ない、お前が!?
フランドール・スカーレット:
そんなことより、
この森は、どう抜ければいいのかしら?
霧雨 魔理沙:
しかも迷子か……。まあ、あっちの方角に
向かえば、一応外には出られるけど……。
霧雨 魔理沙:
今日はもう遅いし、うちに泊まっていくといい。
朝になったら、森の出口まで送ってやる。
フランドール・スカーレット:
吸血鬼だから、夜は平気なんだけど……。
でも、いいわ。泊まってあげる。
霧雨 魔理沙:
はいはい。それにしても、
なんで急に家出なんかしたんだ?
フランドール・スカーレット:
別に。お姉様と喧嘩しただけよ。
フランドール・スカーレット:
あいつ、私の話は聞かないし、
遊びに付き合ってもくれないの。
フランドール・スカーレット:
いつも暇そうにしてるのに、いまは忙しいって
偉そうに言うから、ムカついて出てきたのよ。
霧雨 魔理沙:
そうだよなー。あいつ、いっつも上から目線で、
なんでも偉そうにしゃべるもんなぁ。
霧雨 魔理沙:
仕事は全部メイドに任せて、自分は暇なんだから、
妹の遊び相手くらい、すりゃいいのにな。
フランドール・スカーレット:
……待って。ちょっと黙ってくれる?
霧雨 魔理沙:
ん? どうした?
フランドール・スカーレット:
あんたがお姉様の何を知ってるのよ。いい。
あいつの悪口を言っていいのは、私だけよ!
霧雨 魔理沙:
え!? あ……、ああ。悪かった。
フランドール・スカーレット:
はぁ、思い出したら、
またお姉様に、ひとこと言いたくなってきた。
フランドール・スカーレット:
やっぱり、私帰るわね。
さよなら。
霧雨 魔理沙:
あー……、なんだ。ま、これも結果的には
いいことしたってことになるのかな?