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紅魔館
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霧雨 魔理沙:
よっと、咲夜。来てやったぜ。
それで、なんだ? 私に頼みたいことってのは。
十六夜 咲夜:
急に呼び出してしまって、ごめんなさい。
来てくれて、本当に助かるわ。
十六夜 咲夜:
実はパチュリー様が、本を自動で本棚に戻す
魔法の実験をしたんだけど、失敗してしまって。
十六夜 咲夜:
本が勝手に飛び始めて、パチュリー様も、
本に埋もれて気絶しちゃったの。
霧雨 魔理沙:
ありゃ、見事な大失敗だな。
十六夜 咲夜:
貴方には、その魔法を解除してほしいのよ。
私には、よくわからないから。
霧雨 魔理沙:
あー、他人の魔法の解除って手間なんだよな……。
なあ、その仕事、明日でも構わないか?
霧雨 魔理沙:
今日は、他にも何件か仕事が入ってて、
そっちも、かなり時間がいるんだよ。
十六夜 咲夜:
なら、交換条件ね。
そっちの仕事を、私がやるわ。
十六夜 咲夜:
なんでも屋の仕事って、妖怪退治でしょ。
それなら私にもできるから、任せなさい。
霧雨 魔理沙:
お、ホントか! そいつは助かる。
それなら、魔法の解除作業に集中できるぜ。
十六夜 咲夜:
ええ。それじゃ、行ってくるわ。
お屋敷のこと、お願いね。
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数時間後
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霧雨 魔理沙:
ふぅ、終わった……。意外と楽勝だったな。
十六夜 咲夜:
やっと終わったのね。
待ちくたびれたわ。
霧雨 魔理沙:
おいおい……。まさか、あの量の仕事が、
もう終わったって言うのか?
十六夜 咲夜:
ええ。あの程度なら、一瞬で片付けられるわ。
霧雨 魔理沙:
ホント、大したメイドだよ。
今回のお代はいらないぜ。こっちも助かったしさ。
十六夜 咲夜:
なに言ってるの。払うのは、あなたの方よ。
不足分は、うちのメイドとして働いてもらうから。
霧雨 魔理沙:
いやいやいや、なんでそうなる!
十六夜 咲夜:
だって、私とあなたの仕事量じゃ、
どう考えても釣り合わないもの。アンフェアよ。
十六夜 咲夜:
さっそく明日来てくれる? 炊事洗濯お掃除に、
荷物整理とお部屋の修繕。仕事は山ほどあるんだから。
霧雨 魔理沙:
あ~あ。せっかく楽できたと思ったのに、
結局、余計に高くついちゃったな……。