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アリスの家
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霧雨 魔理沙:
よう、アリス……、って、なにしてんだ?
アリス・マーガトロイド:
植木鉢で育ててる紅茶の木に、
水をあげてるのよ。
霧雨 魔理沙:
へぇ。紅茶の木かぁー。飲むだけじゃなくて、
木から育てるなんて、凝り性だなあ。
アリス・マーガトロイド:
これは飲むためじゃなくて、紅茶魔法の
実験に使うための茶葉を育ててるんだけどね。
霧雨 魔理沙:
紅茶魔法? なんだそりゃ?
アリス・マーガトロイド:
ほら、貴方も、森で育ったキノコを使って
魔法を使うでしょ。
アリス・マーガトロイド:
それで思いついたのよ。紅茶を淹れるみたいに、
茶葉の魔力を抽出できるんじゃないかって。
アリス・マーガトロイド:
貴方のキノコ魔法より、カンタンだと思うわ。
よかったら、魔法の実験を見ていく?
霧雨 魔理沙:
本当に、そんなカンタンにいくのか?
ま、いいぜ。見ていってやるよ。
アリス・マーガトロイド:
……よし。これが茶葉から抽出した魔力液よ。
見て、綺麗でしょ?
霧雨 魔理沙:
へえ。ただの紅茶にしか見えないけどな。
アリス・マーガトロイド:
ふん。まあ、見てなさい。
こうやって私の魔力を送ると……。
霧雨 魔理沙:
な、なんだ? 紅茶が光りだしたぞ!
アリス・マーガトロイド:
どう? 茶葉の魔力と私の魔力を合わせて、
莫大な魔力を貯められる魔力液が精製できるの。
アリス・マーガトロイド:
これを使いこなせるようになれば、無限に近い
魔力を持ち歩けるようになるわ。ふふふ……。
霧雨 魔理沙:
たしかに、純度の高い魔力が
紅茶の中に凝縮されているな……。
霧雨 魔理沙:
すごいことは、わかったんだが……。
なんだか、この部屋暑くなってないか?
アリス・マーガトロイド:
いけない、この魔力液は……。ああ、しまった!
アリス・マーガトロイド:
流し込んだ魔力が暴走して、急激に温度が
上がってるわ! このままじゃ、爆発……っ!
アリス・マーガトロイド:
失敗ね……。まだ実験の初期段階で、
魔力液を安定させられなかったわ。
霧雨 魔理沙:
ズズズ……。うん、うまい。
やっぱ紅茶は、飲むに限るな。