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永遠亭
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霧雨 魔理沙:
こんちはー。おっ、めずらしいな。
今日は鈴仙が診察しているのか。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
ええ。師匠はいま往診で留守だから、
私が代わりにやってるの。
霧雨 魔理沙:
(へえ。そういうことなら……)
鈴仙・優曇華院・イナバ:
それで、今日はどうしたの?
霧雨 魔理沙:
いや、永琳に用事を頼まれたんだよ。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
……用事を?
霧雨 魔理沙:
ああ。難しい患者がいて、その病気の治療法が
載ってる本を、持ってきてほしいってさ。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
ふーん……。伝えてくれて、ありがとう。
なら、すぐに師匠の所へ持っていかないとね。
霧雨 魔理沙:
いやいや! 私が持っていくよ! おまえは
診療を続けろって、永琳も言っていたからさ。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
そう? そういうことなら、わかったわ。
奥の部屋で本を渡すから、ついてきて。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
それじゃ、私は本を用意してくるわ。
お茶でも飲んで待っててね。
霧雨 魔理沙:
ああ、ありがとな。
霧雨 魔理沙:
ふっ……。あいつ、すっかりだまされているな。
永琳は絶対本を貸さないから、うまくいったぜ。
霧雨 魔理沙:
んぐっ……、ぷはー!
うまいな、このお茶! ……ん?
霧雨 魔理沙:
な、なんだ? おかしい……。
か、身体が、しびれ……!?
鈴仙・優曇華院・イナバ:
どう? しびれ薬のお味は?
霧雨 魔理沙:
れ、鈴仙……!
鈴仙・優曇華院・イナバ:
あんな見え透いた嘘、ひっかかるはずないわ。
本の内容くらい、師匠は全部ソラで言えるわよ。
霧雨 魔理沙:
ま……、マジか。
だ、だまされた……。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
このことは師匠に伝えて、きついおしおきを
してもらうから。そのまま帰りを待ってなさい。
霧雨 魔理沙:
おしおき……! カ、カンベンしてくれぇ!
も、もうしませんから~!