--------------
魔法の森
--------------
霧雨 魔理沙:
おお、河童じゃないか。
何しに来たんだ?
河城 にとり:
どうもどうも、河童の訪問販売でーす。
今日は魔理沙さんに、自信作を見せにきました!
河城 にとり:
今回ご紹介するのは、この腕輪!
あなたの魔法がド派手に強化されちゃいますよ!
霧雨 魔理沙:
魔法がド派手に強化だって?
そういうことなら、試してみないとな。
霧雨 魔理沙:
ミニ八卦炉の出力を絞って……と。
よし、いくぜ。いでよ、炎!
霧雨 魔理沙:
おいおい……。ただの試し打ちだったんだが、
いつもの倍以上のパワーが出たんじゃないか?
霧雨 魔理沙:
これさえあれば、いろんなやつの
度肝を抜けるにちがいない……。
河城 にとり:
まあ、この腕輪、魔法をド派手に強化するとは
言ってもですね、実のところは……。
霧雨 魔理沙:
よし! こいつ、いただくぜ!
河城 にとり:
ひゅい!? え、あの、ちょっと……、
まだ説明途中なんですけど!
霧雨 魔理沙:
細かい話は、いらないっての。
使い方は実践で覚えていくからさ。
河城 にとり:
まあ、そっちがそう言うなら、こちらの
購入契約書にサインを……。はい、まいどありー。
霧雨 魔理沙:
ふっふっふっ……。じゃあさっそく、
霊夢にでも使って、ちょっと驚かせてみるかな。
--------------
~数時間後~
--------------
霧雨 魔理沙:
おい! お前の腕輪、不良品じゃないか!
まったく効果が出なかったぞ!
霧雨 魔理沙:
こいつは、魔法の効果を強化する腕輪じゃ
なかったのか?
河城 にとり:
え? いや、違うよ。それは、
魔法の“見た目”だけを強化する腕輪なの。
霧雨 魔理沙:
……はあ!? そんな話、聞いてないぞ!
こんな子供だまし、返品だ!
河城 にとり:
説明の途中だって言ったのに、話をちゃんと
聞かなかったのは、そっちじゃんか。
河城 にとり:
契約書にも書いてあるけど、
これ、返品不可だから。じゃあねー!
霧雨 魔理沙:
くっそー、逃がすか!
絶対に金は返してもらうからな~!