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魔法の森
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霧雨 魔理沙:
なんの音だぁ? せっかく昼寝してたってのに……。
ん? あいつは……。
高麗野 あうん:
くんくん。あちらのような、こちらのような……。
いったいどちらに、おわすのかしら?
霧雨 魔理沙:
あうんじゃないか。どうした?
ドタドタ走り回って。
高麗野 あうん:
あ、魔理沙さん!
高麗野 あうん:
それが、この森で神仏の気配を感知したのですが、
探しても見つからないんです。
霧雨 魔理沙:
森で神仏って……、道祖神なんじゃないのか?
高麗野 あうん:
どうもそれだけじゃなくて、ほかにも小さな気配を、
たくさん感じるのですよー。
霧雨 魔理沙:
ふーん……。
それはもしかして、八百万の神かもしれないな。
霧雨 魔理沙:
森の魔力のせいで、小さな存在まで
感知しやすくなっているのかもな?
高麗野 あうん:
そうかもしれません! いやー、私ってば、
そんな小さな神霊も感知できるとは、やりますねぇ。
高麗野 あうん:
さすが、超デキる神の忠犬。
いや、忠狛犬ですね!
霧雨 魔理沙:
そんなにデキるなら、ここにいる神霊たち、
みんなまとめて守護するってのはどうだ?
高麗野 あうん:
え! こんなに大勢を、
私ひとりで、護れますかね……?
霧雨 魔理沙:
なに弱気になってんだ。誰も気づかない神様を
見つけられた、お前以上の適役なんているもんか。
霧雨 魔理沙:
神様だって、お前に護られたいって思ってるよ。
な? 超デキる、神の忠犬さん。
高麗野 あうん:
い、いや~。確かにそうですね~。
護るものが多いほど、強くなれるって言いますしね!
高麗野 あうん:
よし、決めました! 私、この森だけじゃなく、
この世界の、すべての神様を護ってやりますよ!
高麗野 あうん:
そうと決まれば特訓です!
うおおおお! 燃えてきたーっ!
霧雨 魔理沙:
ふっ……、これで、森で異変が起きても、
あいつに任せて、ゆっくり昼寝ができそうだな。