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魔理沙の家
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霧雨 魔理沙:
どっこいしょっと……。
まーた実験機材が増えちまったな。
霧雨 魔理沙:
机も棚もいっぱいだし、床にでも置いとくか。
注意して歩けば、問題ないだろ。
摩多羅 隠岐奈:
こんにちは、魔理沙。遊びに来たわよ……
って、この荒らされっぷりは何?
霧雨 魔理沙:
なんだ、隠岐奈か。
遊びに来るなら、アポくらい取ってくれよ。
摩多羅 隠岐奈:
何を平然としてるの。どこからどう見ても、
泥棒に家の中を荒らされているじゃないか。
霧雨 魔理沙:
いや、うちはこの状態が普通だぜ。
これで案外、居心地がいいんだ。
摩多羅 隠岐奈:
あぁ、なるほど……。
そういえば、貴方は盗むほう専門だったわね。
霧雨 魔理沙:
ひ、人聞きの悪いことを言うなよー。
あくまで、借りたり拾ったりしてるだけだ。
摩多羅 隠岐奈:
とはいえ、この散らかし方は見過ごせないわ。
舞と里乃も呼んで、片付けちゃいましょう。
霧雨 魔理沙:
ラッキー!
部屋が綺麗なのに越したことはないからな。
霧雨 魔理沙:
ふぅー。終わった終わった。
見違えるように、綺麗になったな。
摩多羅 隠岐奈:
これで、次からは落ち着けるわね。
じゃあ、今日のところはこの辺で……。
霧雨 魔理沙:
あれ? 帰っちゃうのか?
手伝ってくれたんだし、なんかお礼くらい……。
摩多羅 隠岐奈:
お礼なら、すでにもらってるわ。
じゃあ、またね。
霧雨 魔理沙:
ありゃ、本当に帰っちゃったよ。
お礼って……私、何かしたか?
摩多羅 隠岐奈:
魔理沙、遊びに来たわよ。
いいお茶が手に入ったから、飲みましょう。
摩多羅 隠岐奈:
魔理沙、また遊びに来たわよ。
うちで働くの、考えてくれたかしら?
摩多羅 隠岐奈:
魔理沙、今日も……。
霧雨 魔理沙:
おい! 何日連続で、遊びに来てんだよ!
ていうか、どこから入ってきてるんだ!?
摩多羅 隠岐奈:
あぁ。この前、魔理沙の家の掃除をしたときに、
こっそり後戸を設置しておいたの。
霧雨 魔理沙:
後戸って、勝手になんてことしてんだ!?
摩多羅 隠岐奈:
後戸は開けっぱなしにしておくから、
魔理沙のほうから会いに来てもいいわよ?
霧雨 魔理沙:
まったくもう……。
変な神様の手は、安易に借りちゃダメだな。