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妖怪の山
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チルノ:
待てー! あたいから逃げられると思うなよー!
庭渡 久侘歌:
こらこら、何をしているのですか。
ニワトリをいじめないでください。
チルノ:
何言ってんの。あっちが先にやったんだよ。
あたいのリボンを勝手に盗ってさ。
庭渡 久侘歌:
あら、本当ですね!
すみません。私が言って、返してもらいます。
チルノ:
あ~よかった。その泥棒ニワトリ、
ちゃんと叱っておいてよね。
庭渡 久侘歌:
は、はい……。それにしても、
どうしてリボンを盗ったのでしょう?
チルノ:
知らないよ、まったく。
こっちはヒヨコに近付いただけなのに。
庭渡 久侘歌:
ん? ヒヨコに近付いた? もしかして……。
ニワトリさん、ちょっと。
庭渡 久侘歌:
ふむふむ……、なるほど。
元はといえば、貴方が悪かったようですね。
チルノ:
何、急に……。あたいは近付いただけだよ。
可愛かったから、撫でようとしただけ。
庭渡 久侘歌:
原因はそれです。貴方がヒヨコに近付いたから、
ニワトリが怒ったのです。
庭渡 久侘歌:
ヒヨコは寒さに弱い。だから冷気を発する貴方を
遠ざけようとして、リボンを盗ったのでしょう。
チルノ:
ええ、そんなの納得いかない。
あたいは何もしてないのに!
チルノ:
いた、いたたっ! なんだ、コイツ。
急につついてきたりして……。
庭渡 久侘歌:
こんなに、攻撃的になるなんて。
もしかしたら、山から出ていってほしいのかも。
チルノ:
くっそぉー。意地でも出るもんか!
あたいを敵に回すとどうなるか……。
チルノ:
うわぁっ! ニワトリがいっぱい。
た、たすけてええ!!
庭渡 久侘歌:
あらあら。ニワトリたちは、
意地でも帰らせたいみたいですね。
チルノ:
うえええん! あたいは無実だああ~!!