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大図書館
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パチュリー・ノーレッジ:
相変わらず器用ねぇ。たくさんの人形を同時に、
しかも、それぞれ違う指示を与えて操るなんて。
アリス・マーガトロイド:
まあね。
ちょっとコツがいるけど、慣れると便利よ。
パチュリー・ノーレッジ:
うらやましいわ。私も以前、似たようなことに
挑戦したけど、うまくいかなかったから。
パチュリー・ノーレッジ:
七属性すべての同時制御だったんだけど、
詠唱が長くなりすぎて、呼吸困難で倒れたの。
アリス・マーガトロイド:
ふーん……。あ、それなら!
私の人形を使って、再チャレンジしてみない?
アリス・マーガトロイド:
各属性の魔法を使える人形を作れば、
七属性すべてを同時に扱えると思うの。
パチュリー・ノーレッジ:
ええ?
まあ、理論上は可能かもしれないけど……。
アリス・マーガトロイド:
うまくいけば、体の調子に関係なく、強力な
魔法を使えるようになるかもしれないわよ?
パチュリー・ノーレッジ:
……なるほど。そういうことなら、
試してみる価値はありそうね。
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数時間後
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アリス・マーガトロイド:
各属性の魔法陣を付与した人形が完成したわ。
どの人形も、ちゃんと命令通りに動いてるわね。
パチュリー・ノーレッジ:
それじゃあ、魔法を発動させてみるわね。
……それっ!
アリス・マーガトロイド:
げほっ、げほっ。
……ば、爆発!? どうして?
パチュリー・ノーレッジ:
……魔法陣の構築に問題はなかったはず。
素材と精霊の相性? むしろ、出力の増幅が……。
パチュリー・ノーレッジ:
原因の目星がついたわ。各属性に振り分けた
魔力のバランスが悪かったみたい。
パチュリー・ノーレッジ:
おそらく、火の力を抑えれば爆発しないはず。
それじゃ、次の実験を始めるわよ。
アリス・マーガトロイド:
失敗にめげない、飽くなき探究心……。
さすがは生粋の魔法使いね。
パチュリー・ノーレッジ:
貴方は、実験に必要な人形を作ってちょうだい。
とりあえず、今日中に百体ぐらいかしら。
アリス・マーガトロイド:
……ちょ、ちょっと待って。
ひゃ、百体!? しかも今日中!?
アリス・マーガトロイド:
一日で、どれだけ実験する気なの!?
そんなには付き合い切れないわよー!
パチュリー・ノーレッジ:
あっ、逃げないで!
このアイデアを出したのは、貴方でしょう!