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人間の里
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十六夜 咲夜:
えーと……。
必要なものは、大体そろったかしら?
博麗 霊夢:
あら、咲夜じゃない。
買い物?
十六夜 咲夜:
ええ、もう済んだけど。
霊夢は?
博麗 霊夢:
見回りよ。妖怪が、たまーに里に出るらしいから。
ま、お金は出ないんだけど。
博麗 霊夢:
これじゃあ、懐は温まらないのよ。
どうにかして参拝客を増やさないと。
十六夜 咲夜:
参拝者を増やす方法ねえ……。
十六夜 咲夜:
何か、わかりやすいご利益があると
いいかもしれませんね。『商売繁盛』とか!
博麗 霊夢:
そんなご利益があったら、
私があやかりたいっての……。
十六夜 咲夜:
うーん……、それじゃ御朱印を凝ってみるとか、
キャラクターグッズを販売してみるとか。
博麗 霊夢:
えー……、めんどくさい。それに、そういうのは、
もう散々やって失敗したの!
十六夜 咲夜:
じゃあ、里の人気者を連れてきて、
神様に祀り上げちゃうとか!
博麗 霊夢:
それって普通に誘拐じゃない……。
十六夜 咲夜:
もういっそのこと、
守矢神社と合祀しちゃうとか?
博麗 霊夢:
はあー? あんた、なに言って……。
十六夜 咲夜:
あ、鳥居や建物をショッキングピンクにして、
派手な電飾でギラギラに飾り付けるとか♪
博麗 霊夢:
ちょっと、それは、さすがに……。
十六夜 咲夜:
もう……。結局、参拝者が増えないのは、
霊夢のやる気のなさが根本的な原因だわ!
博麗 霊夢:
いや、それだけじゃないっての。
十六夜 咲夜:
そう? 守矢神社の巫女は、
すごく真剣に話を聞いてくれたわよ?
十六夜 咲夜:
さっきも、鳥居用のショッキングピンクのペンキを
買いにいくんだって、張り切っていて……。
博麗 霊夢:
あ、そう。そりゃ、守矢神社の未来が
相当深刻に心配ね……。