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紅魔館
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十六夜 咲夜:
まさか、こうしてあなたとゆっくり
お茶を飲める日が来るなんて思わなかったわ。
魂魄 妖夢:
ほんと、珍しいですよね。
私たち、基本的に休みはないですし……。
十六夜 咲夜:
今日くらいは、ゆっくり時間をつぶすのも
いいかもしれないわね。
魂魄 妖夢:
しかし、いざ暇になってみると、
何をしていいのか、ちょっと困りますね。
十六夜 咲夜:
妖夢、こんな話を知っているかしら?
ある暇を持て余した、従者の話なんだけど……。
十六夜 咲夜:
暇だ暇だと言いながらお茶を飲んでいたら、
どこからともなく、大きな影が現れてね……。
魂魄 妖夢:
えっ……?
十六夜 咲夜:
驚く従者を、頭からバリバリと食べてしまったの。
後に残ったのは血だまりだけ……。
十六夜 咲夜:
それは、『暇喰い』というおばけなんだって。
もしかしたら、暇してる私たちの所にも……。
魂魄 妖夢:
ひぃっ……!
魂魄 妖夢:
い、今すぐ帰って、お仕事しますー!!
十六夜 咲夜:
うふふ、作り話よ。暇というのは、こんな感じに
つぶすに限るわ。特に、あなた相手にはね。
魂魄 妖夢:
つ、作り話……。
魂魄 妖夢:
ひ、ひどい……。暇をつぶすなら
もっと別の方法にしてください……。
妖精メイド:
あの、咲夜様。
ちょっと、お耳に入れたいことが……。
十六夜 咲夜:
あら、どうしたの?
十六夜 咲夜:
えっ……? また暇喰いが、メイドを……?
十六夜 咲夜:
ご、ごめんなさいね、妖夢。
ちょっと急用ができてしまったの。
十六夜 咲夜:
できれば、また今度、
ゆっくりお茶を飲みましょう!
魂魄 妖夢:
ま……、待ってください! さっきのって……、
さっきの話って、本当に作り話ですよねー!?