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紅魔館
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十六夜 咲夜:
美鈴、頼んでおいたハーブだけど……。
紅 美鈴:
あ、咲夜さん。
無事に栽培できましたよ。どうぞ。
十六夜 咲夜:
よかった。これで、お嬢様に
特製ハーブティーをお出しできるわ。
紅 美鈴:
そういえば、お嬢様が言ってましたよ。
最近、咲夜が変な味のお茶ばかり飲ませてくるって。
紅 美鈴:
また変なお茶を作らないでくださいよ~?
咲夜さん、ちょっと独創的なところがあるからなぁ。
十六夜 咲夜:
お嬢様は私のお茶がお気に召さないみたいなのよね。
真面目に淹れてるつもりなんだけど……。
十六夜 咲夜:
そうだわ、美鈴。
お茶を淹れるのを手伝ってくれない?
紅 美鈴:
え、私がですか? そうですね……
お嬢様の喜ぶ顔も見たいですし、いいですよ。
十六夜 咲夜:
この福寿草、ハーブと混ぜたら
美味しくなるかも……。
紅 美鈴:
それって、たしか超苦いヤツですよね!?
ああ、もう淹れちゃいましたか……。
紅 美鈴:
咲夜さん。お嬢様は、シンプルなお茶が
好きだったはずです。作り直しましょう!
十六夜 咲夜:
あら、残念。
もったいないけど、わかったわ。
レミリア スカーレット:
あら、珍しいわね。
あなたもお茶会に参加するの?
紅 美鈴:
はい。せっかくの機会ですし、
ぜひご一緒させていただこうかと。
レミリア スカーレット:
ふぅん。それよりも、咲夜が
やけに自信満々な顔してるのが気になるわ……。
十六夜 咲夜:
このハーブティー、
きっと気に入っていただけると思います。
レミリア スカーレット:
また変なお茶じゃないでしょうね?
とりあえず、いい香りはするけど……んっ……。
レミリア スカーレット:
鼻に抜けるハーブの芳醇な香り……。
舌の上に広がる絶妙な甘さ……。
レミリア スカーレット:
咲夜、やるじゃない!
これ、とっても美味しいわ!
十六夜 咲夜:
実はそのハーブ、美鈴が作ってくれたんです。
レミリア スカーレット:
そうだったの。美鈴、咲夜、ありがとう。
いい午後を過ごせそうだわ。
紅 美鈴:
喜んでいただけて、よかったです。
では、私も……。
紅 美鈴:
……ぶはっ!?
にっがあああああっ!?
十六夜 咲夜:
あ、それは、福寿草とハーブの……。
もったいなくて、一緒にお出ししたんだったわ。
紅 美鈴:
うぅ、舌にジワジワ苦みが……。
咲夜さん、あんまりですよ~。