-------------- 紅魔館 -------------- 十六夜 咲夜: はぁ……。 レミリア・スカーレット: あら咲夜、どうかしたのかしら? 最近、心ここにあらずのようだけど。 十六夜 咲夜: いえ、実は……。このところ、 誰かに見られているような気がして……。 レミリア・スカーレット: 誰かに見られている、ね。 レミリア・スカーレット: この世界は、誰かが創った箱庭。 私たちは、その箱庭の中の人形に過ぎない。 十六夜 咲夜: お嬢様……? 急に何を? レミリア・スカーレット: 世界の成り立ちに対する、 人間たちの解釈の一つなんですって。 レミリア・スカーレット: この前、パチュリーから聞いたの。 いかにも、人間が考えそうなことよね。 レミリア・スカーレット: でも、もしそれが本当だったら、 私たちも箱庭の中にいるのかもね。 十六夜 咲夜: 箱庭の中、ですか……。つまり私たちも、 誰かに創られた人形に過ぎない、と……? レミリア・スカーレット: そう。この会話も誰かに仕組まれた偽物で、 その誰かは、ずっと私たちを見ているのかも……。 十六夜 咲夜: ……あんまり、いい気はしませんね。 レミリア・スカーレット: そうね。だけど……。 十六夜 咲夜: ……ええ。 十六夜 咲夜: そこかっ! ???: ふぎゃっ!! レミリア・スカーレット: 今日の私たちを覗いていたのは、 ゴシップ好きの天狗だったようね。 十六夜 咲夜: そうですね。箱庭を覗く者は消えたみたいです。 お茶にしましょうか、お嬢様。