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博麗神社
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レミリア・スカーレット:
……暇だわ。ねぇ、霊夢。
ちょっと怖い話でもしましょうよ。
博麗 霊夢:
やんないわよ、面倒くさい。
というか、あんたはさっさと帰りなさ……。
レミリア・スカーレット:
これは、私が実際に体験した話なんだけどね。
ある夜、一人で森を歩いていたら……。
博麗 霊夢:
聞いてないし……。
レミリア・スカーレット:
突然、嫌な臭いが鼻をついて、
頬に、ぴちゃん、って何か液体が落ちてきたの。
レミリア・スカーレット:
なんだろうって、私はとっさに上を見たわ。
そしたら……そしたら……!
レミリア・スカーレット:
雨が降ってきたのよ~! あー、怖かった。
日の出までに帰れないかと思ったわ。
博麗 霊夢:
……まさか、それで終わり? どこが怖い話よ。
他にもっと、マシな話はないの?
レミリア・スカーレット:
あら、お気に召さなかったかしら。
吸血鬼にとって雨や流水は大敵なのよ?
レミリア・スカーレット:
でも、そうねぇ。他に怖いものと言えば……、
ウチの咲夜がいれる紅茶かしら。
博麗 霊夢:
はぁ? なんで、そんなもんが怖いのよ。
いつも飲んでいるんでしょう?
レミリア・スカーレット:
そうだけど、たまに変なお茶を出してくるのよ。
福寿草をたくさん使った、にが~いお茶とか。
博麗 霊夢:
えっ、それって、毒なんじゃ……。
レミリア・スカーレット:
害はないからいいんだけど、急にあの味を
出されると考えたら、ちょっとねぇ……。
レミリア・スカーレット:
でも最近は、それが楽しみになってるの。
今日はどんな味か、好奇心をくすぐるのよ。
博麗 霊夢:
あ、それは、ちょっとわかるかも。
この前、魔理沙と闇鍋をしたんだけど……。
博麗 霊夢:
キノコとか蛙とか、変な具も多かったけど、
次は何が出てくるのかって、わくわくしたわ~。
博麗 霊夢:
……って、そもそも私たち、
何の話をしていたんだっけ?
レミリア・スカーレット:
闇鍋の話。面白そうだし、今度やりましょ。
そのときは、咲夜の紅茶を持ってくるわね。
博麗 霊夢:
ぜったいやめて。