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紅魔館
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レミリア・スカーレット:
おかしいわねぇ。ねえ、魔理沙。
この棚にあった、洋食器のセットを知らない?
霧雨 魔理沙:
ギクッ!? さ、ささ、さあな。
そんなもん、わ、私が知るわけないだろ。
レミリア・スカーレット:
う~ん、それもそっか。じゃあ盗まれたのかも。
もしそうなら、盗んだ犯人は大変ね。
霧雨 魔理沙:
た、大変……? いったいどういうことだ?
レミリア・スカーレット:
その洋食器、呪われてるのよ。
壊しでもしたら、呪いの力で暴走を始めるわ。
レミリア・スカーレット:
今頃は、犯人の家で暴れまくってるかもね。
大事そうなものから、順に破壊していって……。
霧雨 魔理沙:
は!? 待て待て、そいつは困る!
いやその……、止める方法はないのか?
レミリア・スカーレット:
素直に謝るしかないでしょうね、
所有者である、この私に。
霧雨 魔理沙:
謝るって……。
本当にそんなことで止められるのか?
レミリア・スカーレット:
さあ、確証はないわ。でも、こうしてる間にも
大事なものが、ひとつひとつ壊されて……。
霧雨 魔理沙:
ぐっ……。その、実は……、
すまん、レミリア。洋食器を壊したのは私だ。
霧雨 魔理沙:
勢い余って、つい棚にぶつかって……、
見つからないように隠したんだ、悪かった。
レミリア・スカーレット:
フフフ、やっぱりね。呪われてるって話は嘘よ。
ただ、正直に謝ってほしかっただけ。
霧雨 魔理沙:
嘘って……。おいおい、焦って損したぜ。
勘弁してくれよ。
レミリア・スカーレット:
こっちだって、大事な洋食器を壊されてるわ。
勘弁してほしいわよ。
レミリア・スカーレット:
そうだ。洋食器の代わりに、
私があなたの家で暴れるのはどうかしら?
霧雨 魔理沙:
だ、だから、悪かったって!
今度詫びの品を持ってくるから、許してくれっ!
レミリア・スカーレット:
ほんと、忙しない人間ね。
ま、今回のことで、少しは懲りたでしょう。