-------------- 博麗神社 -------------- レミリア・スカーレット: あら、珍しい。 ワーハクタクがこの神社になんの用? 上白沢 慧音: お前こそ、なんの用だ? 私は前の宴会の礼に、 この酒を霊夢に渡しに来たんだ。 レミリア・スカーレット: あっそう。残念だけど、霊夢なら外出中よ。 でも、お酒ねぇ……。 上白沢 慧音: あっ、こら! 急に何をするんだ、返せ! レミリア・スカーレット: このお酒は私から霊夢に渡しておくわ。 ふーん、人間の里で作られたお酒なのねぇ。 レミリア・スカーレット: どれ、ひと口……。うん、なかなかの味ね。 スッキリしてるし、人間も結構やるじゃないの。 上白沢 慧音: いいかげんにしろ。はやくそれを返せ。 人の物を盗んで勝手に呑むなんて、非常識だ。 レミリア・スカーレット: 何? まさかとは思うけど、 吸血鬼であるこの私に、命令する気? 上白沢 慧音: お前が誰であろうと、関係ない。 悪いことをしたら叱られるのは当然だ。 レミリア・スカーレット: ……気に入ったわ。 あなた、ウチで働いてみない? 上白沢 慧音: えっ! は、はたらく……? レミリア・スカーレット: そうよ。吸血鬼を臆さない姿勢、気に入ったわ。 ウチで、妹の家庭教師をやってみない? 上白沢 慧音: 何を言い出すのかと思えば……。 悪いが、私には寺子屋があるのでな。 レミリア・スカーレット: あら、それは残念。 でも、そういうことなら……。 レミリア・スカーレット: 私のスカウトを断った代わりに、 このお酒はもらっていくわね。 上白沢 慧音: あっ、こら! ちょっと待て! 何を勝手なことを……。 上白沢 慧音: ……逃げられたか。妹の家庭教師なんて言って、 本当に必要なのは姉の方じゃないか?