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地下室
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フランドール・スカーレット:
あら、誰か来たみたいね。この足音は……。
レミリア・スカーレット:
こんにちは、フラン。
一緒にお茶でもどうかと思ってね。
フランドール・スカーレット:
あら、珍しい。今夜は嵐かしら?
十六夜 咲夜:
準備できました。さあ、お召し上がりください。
美味しいケーキもありますよ。
レミリア・スカーレット:
最近は、どう?
お天気の日が続いて、憂うつね。
フランドール・スカーレット:
ええと、そうね……。私はほとんど
外に出ないから、関係ないけど。
レミリア・スカーレット:
あなたは家にいるのが好きだものねえ。
フランドール・スカーレット:
だって、ここは快適だもの。
ベッドも、おやつも、なんでもそろってる。
レミリア・スカーレット:
世間ではそういうの、なんて言うか知ってる?
引きこもりって言うのよ。
フランドール・スカーレット:
いいじゃない。
お姉様より吸血鬼らしくて、威厳があるでしょ。
レミリア・スカーレット:
でも、たまには外に出て運動しないと、
体がなまるわよ。
フランドール・スカーレット:
弾幕で遊んでるから大丈夫よ。お姉様こそ最近、
弾幕使ってないでしょ。なまってるんじゃない?
レミリア・スカーレット:
そんなわけないでしょ。
未熟な貴方と、一緒にしないで。
フランドール・スカーレット:
誰が未熟ですって?
私は、少なくともあなたよりは強いから。
レミリア・スカーレット:
あら、愉快な冗談ですこと。
姉が妹に負けるわけないじゃない。
フランドール・スカーレット:
言ったわね。
レミリア・スカーレット:
受けて立つわよ。
十六夜 咲夜:
まあまあ、お二人とも! 今日はこの辺で……。
ケーキも食べ終えたことですし、戻りましょう?
レミリア・スカーレット:
……ふん。今日のところは見逃してあげる。
じゃあね、フラン。楽しく引きこもってなさい!
フランドール・スカーレット:
ええ、さよなら、お姉様。
太陽の下で、散歩でもしてきたらいいわ!
フランドール・スカーレット:
まったく、なんなのよ……。
あいつは、私にケンカを売りにきたのかしら!?
十六夜 咲夜:
いいえ。レミリア様は、フラン様と
お話をしにきただけですわ。
十六夜 咲夜:
今日のケーキは、
レミリア様の手作りだったんですから。
フランドール・スカーレット:
えっ……。
フランドール・スカーレット:
ふん、どうりでスポンジはべちゃべちゃ、
クリームは甘ったるかったわけだわ。
フランドール・スカーレット:
あれなら、私の方がうまく作れるわね。
今度は私が作って、お姉様を驚かせてやる!
十六夜 咲夜:
ええ、そうしましょう。そうしたら、
また、お二人でお茶できますものね。