--------------
人間の里
--------------
フランドール・スカーレット:
うわあ……! あっちにもこっちにも、
人間がいっぱいいるわ!
十六夜 咲夜:
ふふ。ここは人間が暮らす里ですもの。
十六夜 咲夜:
さて、今日は買い出しにお付き合いいただき、
ありがとうございました。フラン様。
フランドール・スカーレット:
いいのよ。私も、人間にちょっと
興味が出てきたから、里に来てみたかったの。
フランドール・スカーレット:
あら? ちょっと待って、咲夜。
あの人間、柄杓で水を飲んでるんだけど……。
十六夜 咲夜:
まあ! きっと、スプーンがなかったんですね。
フランドール・スカーレット:
えっ、あの配達屋、
服のすそをあんなにめくって走ってるわ!
十六夜 咲夜:
あらあら、あんなに脚を見せるなんて、
よっぽど筋肉に自信があるんでしょう。
フランドール・スカーレット:
さ、咲夜! あの子供が持ってる、
風でくるくる回るものは何!?
十六夜 咲夜:
……なんでしょう。新手の発電装置ですかね。
フランドール・スカーレット:
人間って、変な生き物なのねえ。面白いわ。
フランドール・スカーレット:
……あっ、あの人間、エサを食べてる!
ねえ咲夜、人間は何を食べるの?
里の人間A:
はぁ? 何を言ってるんだ、あの子……。
十六夜 咲夜:
人間の食べ物ですか?
人間は、人間以外なら、なんでも食べますよ。
フランドール・スカーレット:
……えっ?
フランドール・スカーレット:
人間以外なんでもってことは……、吸血鬼も?
里の人間B:
あー、腹減った。今夜は何を食おうかなあ。
フランドール・スカーレット:
さ、咲夜っ! 今日はもう帰ろう!?
十六夜 咲夜:
えっ? 買い物は終わりましたから、
いいですけど……。
フランドール・スカーレット:
あ……、あのね、咲夜、
フランドール・スカーレット:
咲夜の好きな食べ物って、なにかな……?