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地下室
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フランドール・スカーレット:
はあ~、遅いわね……。
なんだか、だんだんイライラしてきたわ。
射命丸 文:
こんにちはー! 毎度おなじみ
文々。新聞の、突撃取材でーす!
フランドール・スカーレット:
いつもなら歓迎するけど、
あいにく今日は、そういう気分じゃないのよねぇ。
射命丸 文:
まあまあ、話くらい聞いてくださいよ。
次号の特集は、なんと!
射命丸 文:
「究極対決! 吸血鬼姉妹はどちらが強いのか!?」
射命丸 文:
この機会にぜひ、あなたの強さのヒミツを
教えていただきたく!
フランドール・スカーレット:
強さのヒミツ、と言われてもねぇ……。
別に、特に何もやってないわよ。
射命丸 文:
おっ、さすが! 何もしなくても、
元からその強さをお持ちなんですね。
射命丸 文:
じゃあ、能力については、どうです?
あらゆるものを破壊するチカラがあるそうですが。
フランドール・スカーレット:
そんなのは、簡単よ。こう、きゅっとして……。
射命丸 文:
ドカーンですね! うんうん。
最強のチカラと言っても過言ではないですねぇ。
フランドール・スカーレット:
はぁ。まぁ、そうなんだけど……。
フランドール・スカーレット:
(あーあ。ヨイショばかりで、つまんないわね。
……そうだ!)
射命丸 文:
それでですね、肝心のお姉さんとの
強さ対決なんですが……。
フランドール・スカーレット:
お姉様との対決だなんて、考えただけで怖い。
私がお姉様に勝てるはずはありません。
射命丸 文:
えっ? いや、でも……。
フランドール・スカーレット:
でもも何もないです。
私のチカラは、お姉様の足元にも及びませんわ。
射命丸 文:
そ、そんなことないですよ! 私の見立てでは、
お姉さんよりもあなたの方が、チカラは断然上!
射命丸 文:
そもそも、お姉さんの弾幕は見た目が
派手なだけで、実は大したことないですし……。
レミリア・スカーレット:
あら、ずいぶん楽しそうな話をしてるわね。
射命丸 文:
げぇっ、レミリアさん!?
フランドール・スカーレット:
いらっしゃい、お姉様。5分遅刻よ。
フランドール・スカーレット:
今日は、お姉様と会う約束をしてたのよ。
タイミングがよかったわねぇ、記者さん?
フランドール・スカーレット:
姉妹のどちらが強いのか、たっぷり
教えてあげるから、その身で味わうといいわ!
射命丸 文:
ちょ、ちょっと待っ……! うわっ!?
ああもう、撤退! 今日のところは撤退でーす!
フランドール・スカーレット:
あー、スッキリした! おかげで
待たされてる時間を、イライラしないで済んだわ。