-------------- 妖怪の山 -------------- 橙： わっ！　あんたはたしか、イタズラ妖精！ 山になんの用？ クラウンピース： ちょっと河童にちょっかいを……って、 そういうあんたも、イタズラ妖怪だろ！ クラウンピース： こないだ神社の近くに、通行人を驚かせる罠を 仕掛けてたよな！　あたい、見たぞ！ 橙： そ、そんな……まさか見られてたなんて……。 誰にもバレてないと思ったのに～！ クラウンピース： 大丈夫、誰にも言わないから！　実はあたい、 あのイタズラ技術について聞きたかったんだ。 クラウンピース： よければ教えてくれないか？ イタズラ仲間としてさ。 橙： え、ええ？　まあ、いいけど……。実は私も、 あんたの能力が気になってたんだよね。 橙： その感じ、悪いヤツじゃあなさそうだし……。 ちょっとだけ、おしゃべりしてこっか！ クラウンピース： そこで、あたいは、この松明を見せたのさ！ そしたら火を見た人間が暴れだして……。 橙： あはは、それで大混乱ってわけね！ すごいねぇ、さっすが地獄の妖精！ クラウンピース： そういえば、あんたはどんな能力があるんだ？ やたらすばしっこかったのは、覚えてるけど。 橙： うーん、ちょっと妖術が使えるくらいかな。 藍様が、式神をつけてくれた時だけだけど……。 クラウンピース： らんさま？　式神をつけるってことは…… もしかして、お前のご主人様か？ 橙： そうだよ、よくわかったね！ 藍様も式神なんだけど、式神を扱えるんだ。 クラウンピース： 式神が式神……？　よ、よくわからないけど……、 実はあたいにも、ご主人様がいるんだ。 クラウンピース： でも、なかなか会えなくてさ。 今は命令で、地上に来てるんだけどね。 橙： そうなんだ……。うちは気軽に会える分、 すぐに仕事を押し付けられちゃうけどねぇ。 橙： それで、あんたは地上で何やってるの？ クラウンピース： 幻想郷を見てまわってるんだ！　あっちこっち、 知らないものだらけで、とっても楽しいよ！ 橙： へぇ～、幻想郷を……あ！　じゃあさ、今度、 行ったことのなさそうな所に連れてってあげる！ 橙： あんた、知ってるかな？　「楽園」って 呼ばれることもある場所なんだけど……。 クラウンピース： 楽園、だと……！　そんな所があるのか！？ 地獄の妖精が、行ってもいいのか！？ 橙： もちろん！　でも、ただの楽園じゃなくて、 猫の楽園ね。猫がたくさんいるから……。 クラウンピース： 猫が喜ぶほど、ステキな所ってことだろ！ うひゃー、どんなワンダフルな場所なんだろう！ クラウンピース： あたいも、おめかしして行かなきゃかな！？ 今すぐ用意しなきゃ！　それじゃ、また今度な！ 橙： えっ、ちょっと！　なんか勘違いしてない！？ ……ああ、行っちゃった。 橙： うぅ、どうしよう。せめて楽園っぽい飾りつけが できないか、藍様に聞いてみようかな……。