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霧の湖
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橙:
ふぅ~。今日は涼しくて、いいおさんぽ日和!
およ? あの日傘は……。
橙:
たしか、紅魔館の吸血鬼だよね。
あんたも、おさんぽ?
フランドール・スカーレット:
ええ。といっても、どこに行ったものか
迷ってるところなんだけどね。
フランドール・スカーレット:
いつもは咲夜がついてくるから、今日は
一人で出かけてみようと思ったんだけど……。
フランドール・スカーレット:
あ、ちょうどいいわ!
ねえ、このへんの歩き方、教えてくれない?
橙:
おおっ? そういうことなら、まっかせて!
面白いもの紹介してあげる! まずはこっち~!
フランドール・スカーレット:
え、どんどん湖から離れていくけど……。
こっちの茂みの中に行くの?
橙:
水が苦手だから、湖には近寄らないんだ。
でも、大丈夫。あんまり遠くには行かないよ!
橙:
よーし、まずはここ!
見て。たくさん花が咲いてるでしょ~?
フランドール・スカーレット:
わぁ、ほんと! ……でも、これくらいなら
紅魔館の花壇の方が、よっぽど綺麗よ。
橙:
ふっふっふ。この花のいいところは、
見た目じゃないよ。なめると蜜が美味しいの!
橙:
あれ、もしかして、蜜なめたことない?
ほら、プチッと摘んで、ここをちゅーって。
フランドール・スカーレット:
ちゅー……。あら、本当に甘いわ!
花の蜜っていうのも、バカにできないわね。
橙:
でしょでしょ! 私のおやつなんだ!
あとはねー……、向こうに木があるでしょ?
フランドール・スカーレット:
あの、ウロのある木?
ん、ウロの中に何か……あ、あれって!
橙:
そう、リスが住んでるの! たまにしか
顔出さないから、見れたのはとってもラッキー!
フランドール・スカーレット:
へぇ~。リスなんて、はじめて見たかも。
こんなに近くにいるなんてねぇ。
橙:
こっちにまだ、色々あるよ! ついてきて~!
橙:
最後に紹介するのはここ!
実はここは秘密の通路、なのです。
フランドール・スカーレット:
これ、道なの? 狭いし草ボーボーじゃない。
広くしてあげようか? ドカーンって。
橙:
ダメダメ、狭いのが人目につかなくていいの!
この先はね、マヨヒガに繋がってるんだ。
橙:
私が住んでる所!
猫がたくさんいるから、いつか遊びに来てね。
フランドール・スカーレット:
ええ、そのうちに。今日はもう帰るわ。
楽しかった、ありがとう……あ、そうだ!
フランドール・スカーレット:
これ、今日のお礼に。おやつに持ってきた
クッキー、あなたにあげるわ。
橙:
ええっ!? こんな高級そうなお菓子、
もらっちゃっていいの……!?
橙:
わーい、ありがとう! 食べるの楽しみ~っ!
こんなの、なかなかお目にかかれないもん!
フランドール・スカーレット:
あらあら。そんなに喜んでくれるのなら、
次はお茶会を開くのも、いいかもね。
フランドール・スカーレット:
たまには、さんぽするのも悪くないと思えたわ。
ありがと、化け猫のガイドさん♪