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博麗神社
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アリス・マーガトロイド:
布、ありがとう。この人形、
服が木に引っ掛かって、破れちゃったのよ。
博麗 霊夢:
お安い御用よ。いらない布をあげただけだし。
それより、ちゃんと直るといいわね。
アリスの人形:
レイム、アリガトウ……。
博麗 霊夢:
わぁっ! こ、この人形、しゃべったわ!
今、ありがとうって……。
アリス・マーガトロイド:
ふふふ。ひょっとしたら、
霊夢に感謝の気持ちを伝えたかったのかも。
博麗 霊夢:
驚いたわ。その人形には、心があるのかもね。
パッと見ただけじゃ、よくわかんないけど。
アリス・マーガトロイド:
そうね、見ただけじゃわからない。
でも、それは私たちにも同じことが言えるわ。
アリス・マーガトロイド:
例えば、あなたに心や意識があるのか、
それは本人にしかわからないのよ。
博麗 霊夢:
ややこしいこと言い始めたわね……。
私には意識があるわよ。当然じゃない。
アリス・マーガトロイド:
そうは言うけど、証明する方法もないし、
ただそう言ってるだけってこともあるからね。
博麗 霊夢:
何よ、それ? なら意識があるかどうか、
ずっと、わからないままじゃないの。
アリス・マーガトロイド:
そういうことになるわね。意識があるかどうか、
自分以外は、わからないまま。
アリス・マーガトロイド:
案外、幻想郷にはいっぱいいたりしてね。
そういう意識のない、屍みたいなヤツが……。
博麗 霊夢:
もしそうなら、かなり不気味な話ね。
意識もないのに、あるフリをしているなんて……。
博麗 霊夢:
ま、それが原因で騒ぎになるでもないし、
あってもなくても、どっちでもいいわ。
アリス・マーガトロイド:
あらら。面倒くさがりな巫女には、
関係ない話だったわね。