--------------
人間の里
--------------
アリス・マーガトロイド:
卵よし、砂糖よし、バターもあって……。
うん、あとは牛乳だけね。
アリス・マーガトロイド:
あ、ラッキー。最後のひとつだったみたい。
これでパンケーキが作れ……。
アリス・マーガトロイド:
あっ、ちょっと! それは私のよ!
十六夜 咲夜:
あら、あなただったのね。
悪いけど、この牛乳は私のものだから。
アリス・マーガトロイド:
えぇ……。せっかくパンケーキで、
お茶にしようと思ってたのに……。
十六夜 咲夜:
おあいにく様、早い者勝ちよ。
こっちだって、これが必要だもの。
アリス・マーガトロイド:
はぁ、残念……。
ところで、牛乳を使って何を作るつもりなの?
十六夜 咲夜:
ショートケーキよ。
たまには普通のケーキを作ろうと思ってね。
十六夜 咲夜:
他の材料は、そろってたんだけど、
ちょうど牛乳が切れちゃって……。
十六夜 咲夜:
あら? 今、何か……?
アリス・マーガトロイド:
そうなんだ、美味しくできたらいいわね。
それじゃ、私は帰るから。
アリス・マーガトロイド:
ふふふ。思ったより、あっさり取り返せたわ。
人形を操れば、これくらい……。
アリス・マーガトロイド:
えっ、ない!? 牛乳がなくなった?
アリス・マーガトロイド:
あら、何かしらこの紙?
文字が書いてあるけど、なになに……。
咲夜の手紙:
横取りは、よくないわよ。おすそ分けするから、
よかったらケーキを食べに来て。咲夜より。
アリス・マーガトロイド:
これは……、まんまとやられたみたいね。
時間を止めてまで、牛乳を取り返すなんて。
アリス・マーガトロイド:
ま、おすそ分けしてくれるっていうんなら、
喜んで譲ってあげようじゃないの。