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白玉楼
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魂魄 妖夢:
霊夢、なんの用?
冥界に来るなんて、珍しいじゃない。
博麗 霊夢:
ちょっと、お願いがあって来たの。
冥界の幽霊を貸してくれない?
魂魄 妖夢:
幽霊を、借りる!?
いったい、なにを企んでるのよ?
博麗 霊夢:
幽霊のまわりって、少しひんやりするじゃない?
だから、壺に詰めて売り出そうかと思って。
博麗 霊夢:
壺を置くだけで、部屋が涼しくなる。
その名も、置くだけひんやり壺!
博麗 霊夢:
これから暑くなるし、
かなり売れると思うのよね。どうかしら?
魂魄 妖夢:
ど、どうって言われても……。
博麗 霊夢:
あんた半分幽霊なんだし、色々と詳しいでしょ?
だから、意見がほしいんだけど。
魂魄 妖夢:
意見ねぇ……。
魂魄 妖夢:
なら言わせてもらうけど、もし壺が割れたら、
幽霊は外に出ていっちゃうわよ?
博麗 霊夢:
……う。
魂魄 妖夢:
しかも、お札がはがれたりしたら、
その隙間から通り抜けちゃうし……。
博麗 霊夢:
うう……!
魂魄 妖夢:
そもそも、幽霊を売ってるなんてバレたら、
神社への信仰はガタ落ちよ。それは考えてるの?
博麗 霊夢:
ううう……。すべて否定意見ね……。
博麗 霊夢:
はぁ~……。そこまで言うなら、
幽霊を使った別の商品を、一緒に考えなさいよ。
魂魄 妖夢:
あのね。幽霊で商売をすること自体、
地に足が付いてないって言ってるの。
魂魄 妖夢:
幽霊商売なんて、私は断固反対よ!
博麗 霊夢:
ううう……。せっかく名案だと思ったのに。
幽霊商売は、あきらめるしかないかぁ……。