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白玉楼
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魂魄 妖夢:
曲者! このお屋敷に、いったいなんの用だ!
……って、あら?
鈴仙・優曇華院・イナバ:
危ないじゃない!
私は頼まれていた薬を、届けに来ただけなのに!
魂魄 妖夢:
あー、あなたでしたか。
すみません。いきなり斬りかかってしまって。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
はあ、びっくりした。あなた、誰か来るたびに、
いつもこうなんじゃないでしょうね?
魂魄 妖夢:
え……、いやー。いつもなんて、とんでもない。
た、たまにですよ。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
たまにはしてるのね……。相手が悪者かどうか、
しっかり見極めたほうがいいと思うわよ。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
たとえば、こうやって。
魂魄 妖夢:
え、消えた!? すごい……。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
……どう? こんな感じに身を隠して、
相手の様子をうかがうのは。
魂魄 妖夢:
すごくいいと思いますね!
よーし、私も姿を消す技術を、身に付けるぞー!
魂魄 妖夢:
それじゃ、どこに隠れようかな……。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
あそこの、まとまった雑草を使えば、
庭の草にカモフラージュできるんじゃない?
魂魄 妖夢:
なるほど、隠れ蓑にするのね!
じゃあ、さっそくあの雑草で服を作ります!
魂魄 妖夢:
で、できた……! けど、ちょっと
裾が長くて、うまく歩けない……。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
いいじゃない。そのまま動かなければ、
雑草の塊にしか見えないわ。
魂魄 妖夢:
よし……。ためしに、
侵入者に斬りかかる練習をしてみようっと。
魂魄 妖夢:
食らえ~っ!
……って、うおっ……きゃっ!?
魂魄 妖夢:
裾が引っかかって、バランスが……、あいたっ!
こ、転がって、目が回るぅ~!
鈴仙・優曇華院・イナバ:
あらら……。石にぶつかって、伸びちゃった。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
うーん……、これなら、下手な小細工するより、
前みたいに突っ走ってた方がマシだったかも……。
鈴仙・優曇華院・イナバ:
ごめんなさい。余計なお世話だったみたいね。