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迷いの竹林
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魂魄 妖夢:
う、うりゃー! そりゃー!
よし、大丈夫。私に怖いものなんて……。
魂魄 妖夢:
うわ! ま、まさか……お化け!?
わー、こっちに来ないでぇー!
藤原 妹紅:
いってて! 何だいきなり!
……あ、腕が。
魂魄 妖夢:
ぎゃああああ! けっこうグッサリ入っちゃったーー!!
魂魄 妖夢:
ごめんなさい!
傷は、大丈夫ですか!?
藤原 妹紅:
気にするな、大したこと無いよ。それよりも、
ずいぶん危なっかしい剣の振り方してるな。
魂魄 妖夢:
実は、永遠亭までお使いに行ってて、
その帰り道だったんですけど……。
魂魄 妖夢:
見てください。この濃い霧と、くら~い雰囲気。
お化けが出るんじゃないかと、怖くて怖くて……。
藤原 妹紅:
それで気を紛らわせるために、
剣を振り回していたのか。
魂魄 妖夢:
バレてしまいましたか……。
お恥ずかしい限りです。
藤原 妹紅:
お化けか、私はこの竹林に長年住んでいるが、
そんなものは見たことがないぞ。
魂魄 妖夢:
え、そうなんですか……?
藤原 妹紅:
ああ。だから、安心していいと思う。
魂魄 妖夢:
……怪我をさせてしまったにもかかわらず、
こんなに親身になってくれるなんて。
魂魄 妖夢:
その心の広さ……
私、感服いたしました!
藤原 妹紅:
そんな大層なことしてないと思うが……
まあ、気持ちはありがたく受け取っておこう。
魂魄 妖夢:
小さいことで、くよくよしてちゃダメですね!
あなたのように、大きく構えてないと!
魂魄 妖夢:
たとえ帰り道がわからなくても、歩き続ければ、
いつかは出られるはずです! 自信がわいてきました!
藤原 妹紅:
お前……迷子になってたのか。
だったら、最初からそう言え。
魂魄 妖夢:
いえ、迷子だなんて、そんな……。
藤原 妹紅:
今さら強がっても遅い。
……仕方ない。私が出口まで案内してやろう。
藤原 妹紅:
いいか、離れるんじゃないぞ。もしかしたら、
人食いの獣が出るかもしれんしな。
魂魄 妖夢:
ひ、人食いの獣? きゃー!!
野獣退散! 野獣退散!
藤原 妹紅:
お、おい、冗談だ、よせ!
……まったく、重度の怖がりさんだな。
藤原 妹紅:
(しかし、その後ろに浮いている白いやつ、
それこそ、お化けなんじゃないのか……?)